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子供は敏感……そういう問題じゃない

 うちのぷぷたろう(3歳10ヶ月)が、土曜日の午前中、三種混合ワクチンの注射をしてきた。
 たしかに、女房から聞いていた。たしかに。

 でも、忘れてたんだなあ〜。
 土曜日の午後のこと。あんまりに暑かったので、外出から帰った私はすぐさまシャワーを浴びていた。そこにやってくるぷぷたろう。見るとびっしょりと汗をかいている。
 こりゃいかん、と丸裸にして全身を石けんで洗い、ふと左腕をみれば赤くはれた跡。
 (蚊にでも喰われたか?)と思い、彼に聞いてみると、
 「なんかねぇ、ちくっとした」とのこと。
 (やっぱり蚊かなんかだわ)と、風呂から上がってすぐに、虫さされの薬(ムヒ)を付けてあげた。

 翌朝、ぷぷたろうの全身が熱っぽい。体温計で測ると38度以上ある。
 あわてて女房に言うと、「注射の副作用かな。ま、元気だし食欲もあるので大丈夫だよ」と落ち着いた答え。
 ん?
 注射?

 この段階で気が付いた私。正直に女房に話したのだが、しこたま怒られました。(当たり前だ)

 まさかムヒ塗ったせいで発熱したとも思えないのだが、う〜ん。

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老兵、橋田氏の遺したものとは

 日曜日の昼下がりに書く内容ではないのだが、いま書かないと永遠に書く機会を失いそうなので、あえて書く。
 イラクで、橋田信介さんと小川功太郎さんが、現地武装勢力の襲撃をうけて亡くなった。いま「亡くなった」と書いたが、本当は信じたくない自分がいる。昨日から、何度もこの件について書こうと思ったのだが、ここが、この部分が書けなくてノート・パソコンを閉じていた。だが、現地からの情報を見るにつれ、生存の可能性がきわめて少なくなっていったのも事実だ。

 現地主義というのはジャーナリズムの基本だと思う。大手新聞社が「危険だから」という理由で記者を隣国に退避させていたとしても、フリー・ジャーナリストたちは現場に行く。そこに世界に伝えねばならないものがあるから、彼らは現場に赴く。
 私たちは彼らがいなければ、情報を得ることが出来ないのだ。正確な情報を得ることなしに、正しい判断など出来るわけがない。

 情報氾濫社会の現代において、正確な情報を得ることほど難しいことはない。私は、20代のはじめに中国大陸を一人で歩き回り、実際に目で見た物以外は信用してはならないことを肌で学んだ。とはいえ、この世の中でおこるすべての事件・事故について自ら現地調査を行うなんていうことは不可能である。となれば、自分で、信用するに足ると思われるメディアを見つけていくしかない。
 そういう意味でも、橋田氏は非常に良質な情報を、私たちに与え続けてくれていた。

 私は、橋田氏が、小川氏が、命をかけて伝えようとしていた、いまイラクで何が起こっているのか、ということが知りたい。そのうえで、現在の日本の政権が正しいことをしているのか、野党が主張していることはどうなのか、を考えたい。そして、その思考熟慮の結果を、選挙での投票に反映させていく。それこそが真の民主主義に至る道ではないか、と思う。
 橋田さんが伝えようとしていた「事実」が、どこにつながっていくのか、見極めるのは残された者の責務だろうと考えるのだ。
 おふたりの冥福を心よりお祈りする。

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妻のひとこと

 古くからの友人の日記に、「引っ越しの最中、妻に対して夫がもっとも怒りを覚える瞬間はなにか」というのがあった。彼の場合は「重い物を運ぼうとよっこいしょと持ち上げたまさにそのタイミングに「あ、それ拭いていないから、拭いてから持っていって」と言われること」だそうだ。
 ものすご〜く、よくわかる(笑)。

 我が家の場合には、引っ越しではないが似たようなタイミングで似たようなことを言われることが多い。ずいぶん昔のテレビ・コマーシャルで西田敏行が「いまやろうとしていたのに、言うんだもんなぁ〜」とキレていたのがあったが、まさにあんな感じ。(と言っても、いまの若い人には何を言っているか分からないだろうなあ)

 ま、それで大きな問題になるかというと、そんなことはないので別に構わないんだけどね。

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まず自分で調べよう

 最近、yahooが面白いサービスを始めた。ある人が思った「こんなこと知りたいな」と言うことに対し、知っている人が答えを書き込む「知恵袋」というサービス。
 覗いてみると、自分でも気になっていた質問に明快な回答が寄せられたりしていて、それなりに面白い。ただ、こういっては何だが、質問の大半は自分で調べようと思えば簡単に調べが付くモノ。
 自分で調べるよりも、人に聞いた方が早いっていうことは確かにあるのかも知れないが、自分で調べればほかにもいろいろと勉強になるんだけどなあ。
 私が電子辞書を便利に使いつつも、学生さんにはお勧めしない理由がここにある。みなさんも経験があると思うが、辞書や辞典は、調べようとした言葉の前後に載っている言葉も、なんとなく読んでしまうものだ。ことに百科事典などは、ぺらぺらとめくっているだけでずいぶん時間が経ってしまう。
 こういう楽しみは、やはり頭の柔らかい時期にたっぷり経験しておいたほうが良いと思うのだ。

 ちなみに、私の学生時代の恩師で、「八合目社会」というのを提唱していた人がいた。「この世の中の大抵のことは、本などの公開情報で八割までは知ることが出来る。ただ、それから先、頂上までの二割のことは、詳しい人に聞くなどして非公開情報を知らないと難しい。」ということ。
 いろいろと異論もあろうが、この考え方は基本的には間違っていないと思う。
 さらに言えば、昨今のインターネットの普及で、この八割が九割になっているような気もする。ただ、やはり「人に聞かねばわからん」ことは厳然と存在するわけで、ここのところの情報をとれるか否かは、その「詳しい人」ときちんとおつきあいが出来ているかにも関わってくるのだろう。
 というか、物事の神髄というのは、それくらいでないとありがたみがないと思うし、私はそういう意味での「面倒くささ」には賛成である。

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銀河英雄伝説オンライン・ゲーム

 私はコンピュータ・ゲームというものが苦手。パソコン・ゲームはMS-DOSで動いていた「大戦略」以来やっていないし、コンシュマー・ゲームも(ゲーム機自体は一通りあるにも関わらず)やっていない。もともと強度の乱視のうえ、ひどい肩こり体質なので、じっとモニタ画面を見続けること自体が苦手なのだ。図版描きの仕事中は、やむを得ずモニタを見続けているのだが、そのあとはしばらく使い物にならない。

 と、いうことでコンピュータ・ゲームの話。いままでずっと『銀河英雄伝説』のパソコン版ゲームを作ってくれていたボーステックが、今度はオンライン・ゲームに乗り出した。プレイヤーは『銀河英雄伝説』世界のキャラクターの一人になって、それぞれの陣営の勝利を目指すというものらしい。当然、オンライン・ゲームだから、ほかのプレイヤーとのやりとりも楽しめるということで、ずいぶんと画期的なゲームだと思える。ちゃんと動けば。

 さまざまなところのレビューを見た限りでは、まだまだ完全には動いていないようだ。繰り返すが、私はゲームにはまったく疎いので、レビューの文言も半分くらいしか理解できていないのだが、それでも何かあまりうまくいっていないことくらいは推察できる。
 もっとも、現段階はあくまでも動作確認中(っていうの?)なので、今後のサポートに期待するという感じなのだけど。

 うちの会社でも、とりあえずどんな感じか試してみようということで、Windowsユーザの社員が自分のパソコンにインストールしていた。(私はMacintoshユーザなので、試したくっても出来ないのだよな)
 ようやくインストール作業を終え、ゲームのサーバに接続しようとしたところ「回線工事中のため、接続できません」とのメッセージ。
 うーん、前途は多難のようだなあ。

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うーん

 会社のWebサイトに、社員が適当に日常をつづるページがあるのだが、そこにこのblogのURLを書いておいた。いまアクセスログをみてびっくり。いつもはせいぜい1日あたり30くらいのアクセスが、すでに50を越えている。
 うーん、初めて来た方。あまりにくだらないと怒らないで下さいね(笑)。

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お風呂で読書

 私はもっぱらシャワー派で、お風呂の湯に浸かっても数分で出てしまう「カラスの行水」スタイル。身体の代謝を良くするには、ぬるめの湯に長く浸かった方がよい、ということは知っていても、湯に浸かって無為な時間を過ごすというのがどうしても苦手なのだ。
 ところが最近、週刊誌を持ち込むことを覚えてから、ずいぶん長いこと風呂に浸かることができるようになった。各誌の論調の違いも楽しみつつ、雑学系の知識を仕入れる時間と割り切ることで、無為な時間を有意義な時間と転換したつもりになっている。

 そんなことを田中芳樹氏と話していたら、田中氏は「風呂で本を読んだことがない」と言われた。理由はさだかではないが、ひょっとすると本を読むことと、風呂でリラックスすることが両立しないのかな、とも思う。作家は何を読んでも、何を見ても、次作にどう生かすかを考えてしまうというしなあ。
 ある意味、職業病に近いのかも知れないが、なんとなく気の毒にも思える話だ。

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暑いの苦手、寒いの苦手

 東京は、ここのところ暑い日が続いている。仕事を終えて自宅に帰ると、まずはシャワーを浴びて汗を流さないと、食事をする気にもならない感じ。まだ5月なのに、この暑さでは先が思いやられる。
 とはいえ、実は私、暑いのは嫌いではない。というか、寒いのが苦手なのだ。
 寒いとどうしても動きが鈍くなる。手がかじかむので、出社してすぐは文章を書くことすらできない。呼吸器系が弱いので風邪もひきやすい。私にしてみれば辛い季節なのだ。
 だから、ここ数日の暑さは、なんとなく「いい季節になったなあ」と思えるのだ。

 一方、田中芳樹氏は暑いのが大の苦手。九州・熊本出身なので、暑いのは慣れているはずなのに、「暑さに対する耐性は、そのころで使い果たした」と公言してはばからない。さらには冷房が苦手なので、夏は東京を離れて軽井沢に仕事場を移すのだ。
 最近は新幹線も高速道路も出来たので、スタッフもずいぶん楽になったのだが、それまでは横川の釜飯を食べながら、延々と「あさま」に揺られる必要があった。

 今年も7月なかばには、東京から軽井沢への引っ越しが予定されている。毎年、どこかしらが変わっている軽井沢の町並み。今年はどんな表情をみせてくれるのだろうか。

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面白い物語が読みたい

 先日より横山光輝氏の『史記』を読み直している。ご存じ、司馬遷が書いた『史記』を題材に、横山光輝氏が存分に腕をふるった名作だ。横山氏は先日、不慮の死を遂げられた。本当に惜しい人を亡くしたものだ。

 実は私、田中芳樹氏の秘書になる前まで、中国歴史物にはあまり興味がなかった。せいぜい『三国志』(演義じゃないほう)を読んだくらい。田中氏との会話で中国モノについての話題が出ると、「それって、どんな話なんですか?」と聞いてばかりいた。田中氏もさぞや面倒だったことだろう。
 いまでは邦訳されたものに限っては、一通り読んだと言える。こうなってみると、どうしてもっと早く読まなかったんだろうと思うほど、面白いものばかり。
 なかには換骨奪胎されて日本の物語になっているものもあり、気が付かないうちに慣れ親しんでいた話が、実は中国起源だったと驚くこともある。

 こうして考えてみると、きっと世の中にはまだまだ、面白い物語が眠っているのだろう。生来、語学は苦手とする私にしてみれば、どなたか親切な方が邦訳してくれない限り読むことが出来ない。なんとももどかしいものだ。せめて、すでに翻訳されているものは楽しませてもらおうと思う。

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検索が中断されました……

 我が家のぷぷたろう(3歳10ヶ月)と一緒に、テレビの幼児番組を見ていた女房が、ふと(ほんと、ふと、という感じ)で聞いてきた。
 「ダンナ、こうもりって、何類?」

……3秒ほどの沈黙。

私「それ、まじめに聞いてる?」
女房「うん」
私「ほ乳類だよ」
女房「あ、そか」

 よくよく聞いてみると、幼児番組でコウモリが出てくる歌をやっていて、歌詞に「鳥じゃない」というのがあったそうだ。女房は「はて、鳥ではないとすると」と考えて、そこで思考が停止してしまったとのこと。
 思考が停止、というのはどういうことかと聞くと、どうやら「過去の記憶の検索をしていたのだが、途中でなんらかのトラブルが生じ、検索がストップした」感じらしい。
 うちの女房、たま〜にこういう状態になる。せめて無停電電源くらい、せめてバックアップ・サーバくらい備えておいてくれぃ、と思うのだが、私もよく記憶が飛ぶことがあるので、ある意味、似合いの夫婦なのかも知れぬ。ただ、この性質が息子に遺伝していないことを祈るばかり。

 あと、女房よ。頼むから車の免許を取りたいなどとは言わないで欲しい。幸いにして、今のところそのような発言はないのだが、まさか運転中に「はて、あの赤い信号は何を意味するものだったか」などとやられた日には……。

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ガシャポン

 ガシャポン、というのがある。ガチャポン、ガチャガチャともいうが、要するに、硬貨をいれてハンドルを回すと、カプセルに入った玩具が出てくる簡易自動販売機である。私が子供の頃からあるもので、当時は10円だった。(途中で20円に値上げされた記憶がある)
 そのガシャポン、最近は200円のものが主流になっている。だいたい30年で1個あたりの値段が10倍になっているわけだ。
 ただ、中にはいっている玩具の質に関して言えば、10倍なんて言ったら怒られてしまうくらい進歩している。うちのアホ息子(3歳10ヶ月)にせがまれて、ときどきやってみるのだが、思わず子供を差し置いて大人が喜んでしまうほど。
 うちの息子は、いわゆる特撮系、アニメ系には興味をあまり示さない。そのかわり、鉄道関係のものを見せると大喜びで食らいつく。「アニヲタと鉄ヲタ、息子の趣味で望ましいのはどっち?」という究極の選択を常に強いられているような気もするのだが、ま、それはともかく。

 ガシャポンで鉄道系の玩具を出しているのは、ユージンとエポック社の2社。ユージンはトミーと組んで、「カプセル・プラレール」シリーズというのを展開している。鉄道おもちゃの草分けともいえる、あの「プラレール」の超小型版だ。いっぽう、エポック社は「ミニ・モータートレイン」と銘打って、モーター内蔵で動く電車を模型にしている。

 どちらもよく出来ているのだが、やはり、カプセル・プラレールのほうは元になったプラレールの電車が、ディテールなどを無視した作りになっていることからか、いまひとつかっこ悪い。対するミニ・モータートレインは、カプセル・プラレールにくらべて非常に細かい細工が施してあるし、全体のバランスもよくとれている。動力源もモーター(カプセル・プラレールはおもにゼンマイを使用)を使用していることから、電池を使ったギミック(ヘッドライトなど)も最初から考えられている。
 ただ、線路の造りとなると、カプセル・プラレールに軍配があがる。いかにもプラレール風の青いプラスチック製線路が付いているのだが、線路をつなげたり外したりする爪の部分の精度および耐久力は、ミニ・モータートレインよりはるかに上であろう。ミニ・モータートレインは、何回も付け外しをやっていると、爪についたぽっちの部分が摩滅して、きちんと接合できなくなるし。

 いろいろと違いがあるにせよ、200円でこれを作り上げたメーカーの努力というものは、本当にすごいものがあると思う。ガシャポン自販機の構造上、「どれが出るかわからない」わけで、結果的にけっこうな数の100円玉を突っ込んだりしてしまうわけだが、それでも見つけると「ちょっと1回、回してみるか」と思ってしまう私なのだ。(あれ?息子の存在は?)

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赤城毅氏とロリコン(笑)

 ロリコン、と言っても、ロリータ・コンプレックスではない。信州のSFファンダム・グループが主催して、年に1回開催しているSFコンベンションなのだ。正式名称を「ローカル・リフレッシュ・コンベンション」という。
 例年、6月くらいに白馬のロッジを使って開かれているのだが、今年はゲストとして赤城毅氏を呼んでいただけることになった。いままでのゲストというと、田中芳樹氏、梶尾真治氏、と私の会社に縁の深い人もいれば、矢野徹氏、柴野拓美氏という私が声を掛けるのもはばかられるような大先輩もいらっしゃる。
 赤城氏も、当初、ゲストのオファーをもらったとき、そんな先輩たちと肩を並べるのはいささか気が引ける、などと言っていた。ただ、こういうものはお呼び頂いた者は素直に受けるのが「吉」というもの。いままで直接ファンの皆さんと交流する機会が少なかった赤城氏だし、きっと楽しい経験になるだろう。

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問題が問題

 今年の2月に、千葉県の公立校で行われた入学試験のなかで、「地図を見ながら、公民館までおじいさんを道案内する作文を書く」というのがあったそうだ。問題は、設問の前段に「おじいさんがどのような状態かを仮定しなさい」とし、「急いでいるようだ」「体力がなさそう」「とても元気そう」「時間の余裕がありそう」の4つを選択したうえで、その選択肢にあった道案内を考えるというもの。地図には、急な登り坂のあるコースや、平坦なのだが回り道になるコースなどが示され、さきに選んだ選択肢と、自ら作文した道案内の文章が矛盾のないようにする必要がある。
 私などには、国語のそもそもの目的である「自らの考えた内容を、相手に的確に伝える」ことを考えた、とてもよい設問に思えたのだが、なんとこの問題での正答率が14%。しかも、受験生の半数近くにあたる46%が0点と、まったく得点できなかったのだという。
 千葉県の教育委員会は、原因究明に乗り出すというが、これはいったいどうしたことだろう。

 この問題は、いくつかの要素を含んでいる。まず、設問の前段に選択肢がある、というところ。もちろん、この選択肢はいずれを選んでも間違いではない。問題の要諦は、その選択肢にあった道案内が出来るかどうか、ということなのだから。だが、受験生の大半は、この部分で躓いたという。
 ひょっとすると、選択肢のある問題というのは、そのなかに正解が含まれているものとしてしか考えられないのかもしれない。
 もっとも、私もこの問題を直接見たわけではないので、問題文がとても判りにくかったという可能性も否定できない。まぁ当面は、教育委員会にも、進学塾関係者にも、来年の受験問題作成までには悩んでもらうことにしよう。

 ただ、正答できなかった受験生諸氏は、もっと本を読んで理解力を培ったほうがいいのは確かだと思う。

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空気砲だ!

 通販で面白いオモチャを購入。
air-zooka.jpg

 これ、まんまドラえもんの「空気砲」である。写真ではよく判らないが、プラスチックで出来た筒状の本体にビニールの膜が張られ、これにゴムで張力がかけてある。ビニールの膜に取り付けられているツマミをもって後ろに引き、手を放すと、尖端の開口部から「空気の塊」が飛んでいく、という代物。
 ちなみに、こいつを手に持ってにやけているのが私だ。自分で写真を見ても、もうちっと痩せた方がいいと思うわさ。
 空気砲の射程は3〜5mと書いてあるが、試してみるとけっこう飛ぶ感じ。標的になってみると「ボンっ」という音がしてから一拍おいて、空気の塊がぶつかってくる。

 以前、正面に小さな丸穴をあけた段ボールを身体の正面にもち、両側を手でべこっとへこませるように叩くと、空気の塊が飛んでいって面白いという遊びをテレビで見たことがあるが、原理的にはまったく同じ。グリップがついただけ狙いやすいのだが、それだけのためにお金を出すかというとなあ。

 私としては、会社の部下がアホなことを言ったら、すかさず狙いを定めて「発砲」できるという利点で、これは「買い」なのであるが。

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長者番付って

 高額納税者一覧、いわゆる「長者番付」が発表された。上がった、下がったと世間はいろいろと騒がしいようだが、こういうことを発表するというのは問題じゃないのかな。某官房長官経験者が好きな言葉だった「個人情報」とそれば、納税額というのは最たるもののひとつだろう。
 真偽のほどは定かではないが、そもそもこの高額納税者一覧を発表することになった経緯は、密告奨励だったという。「あいつはあんなに稼いでいるのに名前が出ていないのはおかしい」と、税務署に密告することで、脱税を防いでいたそうだ。
 なんという浅ましさ、と情けなくなる。

 不謹慎な想像だが、仮に高額納税者一覧をみて、この家は金があると目を付けた泥棒が入ったり、子息・令嬢を誘拐したり、という事件が起きないとも限らない。
 この場合、税務署は責任をとるのだろうか。まさかね。

 それにしても、この高額納税者一覧を「長者番付」と名付けた人は、とても頭がいいひとだと思う。
高額納税者なんだから、税金をがっぽり取られてさぞや気分が悪かったとも思うのだが、「長者」と言われるとなんとなく「そうか、俺もたいしたもんだ」と思ってしまったのではなかろうか。
 言葉の魔力というのは、こういうふうに使われるのだなあ。

 ちなみに、以前は作家部門の常連とされていた田中芳樹氏も、ここ最近はおとなしいもの。私などに比べれば、比較にならないほどの納税額ではあるのだが、新聞紙上をにぎわすメンバーには加わらない。これは良いことなのか、悪いことなのか。

 なお、高額納税者一覧に載るのがイヤな人は、3月15日を過ぎてから納税すればよい。もちろん、遅延にともなう罰科金はとられるが、高額納税者一覧には載らない。ちなみに、今年はSMAPの中居くんが、この手を使ったそうだ。昨年、タレント部門で1位になったことで、よほど不愉快な目にあったのだと思われるが、真相は不明である。

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虎だ、虎だ

 虎だ、虎だ、おまえは虎になるのだ。
 というわけで、Macintoshの新しいOSの話。Jaguer、Pantherと進化して、つぎはTigerだそうだ。ネコ科しばりでいくということは、最後はLionまでいってしまうのだろうか。願わくは、サーベルタイガーのように絶滅しないで欲しいものだ。
 OS-Xになって、インターフェースが外見、操作性ともに大きく変化した。当初は私も戸惑ったが、いつのまにか慣れてしまった。Jaguerはともかく、Pantherはかなり安定しているし、実用性も高いと思う。そもそもOSなんてものは、あまり前面に出てこないほうがいい。そこそこ処理が早くて安定していれば十分だ。
 Tigerはどうなんだろうか。

 ネコ科といえば、私が中学校時代は犬や狸は「ほ乳類食肉目」だった。ところが今は違うらしい。その目の代表的な動物の名前を付ける、というルールが出来たらしく、食肉目はネコ目という風に呼称が変わっているとのことだ。なんだかなあ。
 なんで変更しようと考えたのかわからないのだが、別に今までも食肉目で困っていなかったんだし、そのままじゃいけないの?と聞いてみたいものだ。

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不甲斐ないなぁ

 昨日の巨人vs.ヤクルト戦。
 さすが史上最強&最高値打線だ。破壊力は抜群。2回で10点差をつけられるなんて、高校野球だったらコールドゲームだ。

 弊社所属の作家では、田中芳樹氏だけが野球好き。以前は阪急ファンだったのだが、オリックスになったところで熱が冷め、イチローが抜けたところで興味がなくなったようだ。田中氏の奥さんは私と同じヤクルトファンなんだが。

 大リーグで活躍する日本人が増えるにつれ、大リーグの試合をテレビ観戦する機会も増えてきた。私はアメリカという国の行動には首をかしげることが多いのだが、野球に関しては、まだまだ日本は彼らに学ぶことがたくさんある。選手についてももちろんだが、応援するファンについても同様。
 一度だけだが、ロサンゼルスのドジャーススタジアムで観戦したことがある。アメリカでは、ホームとアウェーの差がはっきりしていて、球場に詰めかけるファンの9割以上が地元球団ファン。そのときもほぼ全員がドジャース・ファンだったんだが、敵チームのファイン・プレーには惜しみない拍手を送る。
 いわゆる鳴り物の応援もないし、誰かが先頭にたって応援を主導することもない。それぞれが自分のペースで野球を楽しんでいる感じ。
 しばらくアメリカに行きたいとは思わないが、野球場にだけは行きたいなあ。

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電子書籍の未来(その2)

 先日、電子書籍の可能性について書いてみたのだが、現在の状態では、やはり否定的な見解になってしまう。このあいだ、JR恵比寿駅ビルに入っている有隣堂書店に電子書籍のビューアが置いてあったので、適当にいじってみたのだが、うーん、まだまだだなあ。
 これ、完全防水になっただけで買う人はいると思うのだけど。(私とか)
 紙の本を風呂場に持ち込むのには抵抗があるんだけど、完全防水の電子書籍ビューアだったら問題ないわけで。いやぁ、長風呂の友には最高なんだけどな。

 電子書籍の範疇に入ると思うのだが、電子辞書は私も重宝している。出版社の編集部に仕事で行くときは必ず辞書を持っていく。いままでは国語辞典1冊持っていくのがやっとだったのだが、電子辞書であれば国語・漢和・広辞苑・英和・和英を持っていくことができる。これは便利。
 問題は、持っていこうと思うときには電池が切れかかっている、という「ジンクス」の存在。予備の電池は必携である。

 ちなみに、この電子辞書、クロスワード・パズルを解くときにとっても便利。「7文字で、最後がNという単語」なんてのを調べようとするのは、紙の辞書では大変だもの。あれ?反則かな?

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雨だなあ

 昨日は久しぶりに新宿で飲み。谷甲州ファンクラブの月例会があったのだ。このファンクラブ、私が学生時代に設立されたんだから、すでに20年以上活動している。ちなみに、私は創設直後に入会した。女房と知り合うきっかけになったのもココでの活動なのだ。
 そうはいっても、だんだんみんな忙しくなってきて、最近は私も月例会には参加することが少なくなっていた。昨日も、私をふくめて3人しか集まらなかった。
 ただ、昨日は先日おこなわれたライトノベル・フェスティバル実行委員会が反省会をやっていたので、彼らを巻き込んで飲み会に仕立て上げた。私は、反省会には顔を出せなかったのだが、飲み会の席で反省会での議事について報告をうける。なんだか申し訳ない感じ。

 いいかげんに飲んで、9時半ごろ帰宅。
 考えてみれば、ずいぶんと健康的な生活になったもんだ。
 酔い覚めの水を口にしながらテレビをつけてみると、阪神vs.広島戦の試合がまだ続いている。甲子園は大雨が降っているというのに、途中、グラウンド整備などもはさみつつ12回表裏の攻防へ。最後は、久慈と八木がチャンスを作り、赤星がサヨナラヒットでゲームセット。やはりベテランが活躍する試合というのはいいよなあ。というか、もっと出番作ってやってくれぇ>岡田
 わが乳酸菌飲料球団も、宿敵巨人に勝った。でも、得点が満塁ホームランの4点と、ソロホームランの1点のみ、なんて、まるで巨人の野球じゃんかよ。ま、川島はよく投げたが。

 そういえば、2010年のFIFAワールドカップの開催国が、南アフリカに決定したそうだ。南アフリカというと人種隔離政策だの、鉱物資源が豊富だの、いろいろと耳にはするのだが、よく知っているとは言えない国。きっと、これから6年間、南アフリカの情報が雑誌やテレビでどんどん流れると思うので、少しはお勉強できることだろう。
 きっかけはなんでもいいのだ。

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枕を買い換えた

 ちょっと用事があって、日本橋に出かけた。銀座・新橋・京橋までは、おつきあいのある出版社もある関係でちょくちょく行くのだが、日本橋はあまり足を向けたことがない。
 おのぼりさんよろしく、きょろきょろ周りを見回しながら歩いていると、老舗の寝具店、西川があった。なにげなく入って、店員さんに最近眠りの質が悪いと相談してみたら、枕を変えてみたらどうか、と提案される。
 2階の枕売り場で、パソコンに接続された計測器を使って首の高さなどを計り、その後、いくつも枕を試してみた。いま使っている枕もかなりよいものなのだが、長年使っているだけに若干くたびれ気味。これはいい機会だと思い、思い切って買い換えることにした。
 枕カバーも合わせて、20000円弱。枕ひとつの値段としては高いと思うが、これでぐっすり眠れるのならば安いものだ。

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病は気から?

 ここのところ、東京は天気がころころ変わる。天気が変わると気圧も変わる。
 若い頃は、先輩が「低気圧が近づいてくるんで、体調が悪い」などと言っていると、「年寄り臭いこと言ってるなあ。だいたい、たかだか数ミリバール(当時はミリバールでした)の変動が人間に感じ取れるわけないじゃん」と陰口をたたいていたのだが、今にして思うと、浅はかな若輩者であった。

 そもそも人間は大気の中で暮らしているわけだから、気圧の変動にともなって身体全体が膨らんだり縮んだりするのは不思議ではないのだ。たとえ、その差が数ヘクトパスカルであろうとも。

 今日も、午後になるあたりから妙に身体がだるい。頭痛もする。普通に考えれば風邪でもひいたかな、というところなのだが、発熱もないし、どうも気圧のいたずらのような気がする。こんなことを、若い頃の自分に話したら「気のせい」で片づけられてしまうのだろうが、どこが悪いと明確に指摘できたほうが、身体はともかく気分的には納得できる。こういう「なんとなく体調がおかしい」というほうが、しんどいのだ。
 今日の体調不良の原因が気圧の変化にあるのかどうかはさだかでないが、せめて週末は元気に過ごしたいと思う次第。

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フォントだらけ

 久しぶりに新宿のパソコンショップを覗いてみた。とくに何かを買おうというわけではないのだが、最近のハードやソフトの傾向を知っておくのも無駄ではない。私の場合はMacユーザなので、新製品が出るとしても、出すメーカーは1社だし(笑)、そのメーカーのwebサイトさえ見ていれば新製品情報の大部分は把握できるのだが。
 などと考えつつ、店内を一回りして気が付いたら、手にフォントのパッケージを持っていた。最近のフォント事情は恐ろしいものがある。普通のユーザに十分手が届く値段で、150種類のパックとかが売られているのだ。これじゃあ、プロとアマチュアの差なんて、フォントに限って言えば、ないに等しい。もちろん、よ〜く見れば、グリフもなんとなく安っぽいのだが、普通の人にはまったく問題ないものね。
 そもそも、最近は印刷所が、これら激安フォントしか対応しません、などと平気で言うようになってきた。せめてモリサワとイワタの一通りくらいは揃えておいてくれよ。と思うのだが、このご時世、フォントなどに費用を掛けるのはバカバカしいのだろう。だいたい、クライアント側が激安フォントで入稿してくるのだから、高価なフォントを入れる必要性がないのだし。

 ただ、エディトリアル・デザインを少しでも勉強した人だったら、あまり多くのフォントをいっぺんに使うのは、かえって逆効果だということも知っているんだよね。フォントも色も、きちんと効果を計算して使うのが吉。そのあたりに、プロとアマチュアの差が出るのかも知れない。

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winny、もうひとつの罪

 先日、winnyの作者が逮捕されたことについて書いたのだが、このwinnyには別の問題もあることを教えてもらった。winnyを通じてファイルを交換することにより、ネットでやりとりされるデータ量が膨大なものになり、ほかのデータ移送に支障をきたす、というのだ。
 winnyは、サーバ型と異なり、ソフトをインストールしているパソコン同士を相互につなぐわけだから、目当てのファイルを探す際も含めて、やりとりされるデータは大量になる。これにより、ほかのユーザーのデータまで圧迫されてはたまらない。以前、携帯電話のメール網に流れる迷惑メールによって、一般ユーザのメールが遅配されるなど、大きな問題になったことがあったが、これと同じような構造なわけだ。

 私自身は、ファイル交換ソフトはいっさい使ったことがないので、そのメリットを享受したことはないのだが、気付かぬうちにデメリットは受けていたわけだ。うーん。

 あまり人に迷惑をかけないようにお願いしたいなあ。

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蚊だよ、蚊

 前にも書いたが、最近、眠りが浅い。いわゆる「眠りの質が悪い」というやつ。
 何度も寝返りを打って、ようやく寝付いたと思ったら、今朝は耳元に蚊が飛んできやがった
 あの「ぷ〜〜ん」という音には、魂をイラつかせる波長が含まれているに違いない。うーん。

 蚊取り線香、買ってこよう。

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winnyの作者が逮捕されたのだが

 winnyの作者が逮捕された。逮捕の容疑は、「ファイル交換ソフトを作成し、著作権侵害を幇助した疑い」とのこと。
 うちの会社は、著作権管理を業務にしているわけで、ファイル交換ソフトの悪用には、つねづね苦々しく感じていた。だが、だからといって今回の逮捕は、ちょっと強引すぎるのではないかとの感がある。
 たしかに、当初から違法なファイル交換を目的として開発されたものだとしても、悪用するのはあくまでもユーザー。時速300kmも出せる車を開発したメーカーがあったとして、警察はスピード違反を助長したといって開発者を逮捕するのかな。だいたい、今回の逮捕劇で主役を演じた京都府警は、署内のパソコンにwinnyがインストールされ(インストールしたのは、もちろん署内の警察官)、内部情報が漏洩する事件を起こしている。その意趣返しなのではないか、とも勘ぐってしまう。
 いまのところ、新聞やテレビの論調では、公判維持は難しいと言われているし、そんなことは当の京都府警だって知っていると思う。いわば、見せしめの逮捕なんだろう。

 ただ、ちょっと気になるのは逮捕された東大助手のコメント。警察を通じて発表されたコメントなので、そのまま信じることは出来ないのだが、「時代遅れの著作権法を改正させるためには、著作権侵害状態を蔓延させるしかないと考えた」とのこと。
 うーん、そういう考え方をするのは勝手なのだが、その結果、コンテンツの供給側が大きな損害を受けるということには、想像がいかないのだろうか。コンテンツの対価を制作側に還流させなければ、次のコンテンツを制作することは出来ないのだ。さらにいえば、このような著作権侵害状態が続けば、供給側はコピーコントロールなどの対策をとらざるを得ない。それによって生じた経費はすべて正規ユーザーの支払う商品価格に転嫁される。
 いわば、ファイル交換ソフトで違法にコンテンツデータを取得しているユーザーは、正規ユーザーが払った商品代金から、少しずつお金をかすめ取っているのと同じ。厳しい言い方をすれば、宿主に寄生している虫みたいなものだ。宿主の体力を徐々に削っていき、最後には倒してしまう。そうなったときに彼らはどうするんだろう。おそらく、別の宿主を見つけるんだろうなあ。

 もちろん、コンテンツの供給側としても、ユーザーがお金を払うに値すると思ってもらえるだけの商品を提供しなければいけないのも忘れてはいけない事実。
 本来、コンテンツの供給側とユーザーは対立する構造ではなかったはずだ。互いに「いいものを作ってくれた」「喜んでもらえてよかった」と言える関係を目指していきたいものだ。

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奇術の練習を再開

 5月1日に書いた日記のなかで、奇術について書いた。とりあえず、田中芳樹氏が原稿執筆に必要とする部分の調査は終わったので、これでおしまいにしても構わなかったのだが、調べているうちに、奇術部に在籍していた学生時代の記憶がよみがえってきた。
 今日も女房の買い物のつきあいで、渋谷に出かけたのだが、ついつい東急ハンズで手品道具を買い込んでしまう。帰宅した後、さっそく手にとってみたのだが、悲しいかな、指先の動きを完全に忘れている。卒業後、まったくと言ってよいほど奇術からは遠ざかっていたわけだし、そもそも在籍中も熱心に練習をしたとも言えないのだから、仕方ないのだけれど。
 とはいえ、このままでは悔しいので少しずつ練習をすることにした。テレビを見ながら、コイン・ロールをしていると、なんとなく動きがよくなってきた感じ。でも、明日の朝になれば、また戻ってしまうんだろうなぁ。焦らず、ゆっくりと上達していきたいものだ。

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電子書籍の過去・現在・未来

 電子書籍という言葉を聞いたのは、もうずいぶん前になる。当初はパソコン上で専用のソフトを使って読むものだった。ボイジャー社のエキスパンド・ブックは、ソフトの出来もけっこう良くて、私もいろいろと作って遊んでみたものだった。折からの「マルチメディア」ブームもあり、このまま一気に普及するかな、とも思ったのだが、甘かったようだ。だいたい、当時のマルチメディア・ブームというものは、「CD-ROMブーム」と言い換えてもいいくらいだった。さまざまなタイトルがCD-ROMで発売され、また消えていったのがこの時代だった。
 
 その後、しばらく電子書籍という言葉とも縁遠くなっていたのだが、数年前から複数の出版社が団体を作り、電子書籍の普及に力を入れるようになってきた。紙の書籍と比べ、流通コストが格段に低く、かつ在庫経費の掛からない電子書籍というのは、出版社にとって都合のいいものなのだろう。こうして、コンテンツを供給する側の体制は整ってきた。
 いっぽう、コンテンツを閲覧するハードウェアの方も進歩してきた。以前はパソコン上でしか閲覧できなかったものが、高解像度のディスプレイを持ち、動作時間も長いPDAが次々とデビューしたことで、手軽に電子書籍を読むということが現実味を帯びてきたわけだ。
 さらにいえば、ユーザー側の意識も変わってきた。以前は紙の本以外読む気がしない、と言う人が大半だったのに、最近では携帯電話で読む小説が人気だとか。大人が、「電子書籍を普及させるためには、使いやすくい専用端末の開発が急務」だとか「いやいや、専用端末は安くないと普及しない。より一層の周知をはかり、大量生産で価格を下げる努力を」だとか、頭の固いことを言っているあいだに、若者はどんどん自分の生活スタイルに取り入れているのだ。

 とはいえ、コンテンツを供給する側にたつ私としては、この電子書籍にはどうしても賛同できない部分があるのだ。まずは、セキュリティの面。たしかに、どの出版社もデータをコピーされないよう、あるていどのコピーガードを掛けているようだ。でも、ゲームソフトやビジネスソフトの違法コピーの現状をみると、やっぱり不安になる。紙の本だってコピーは出来るけれど、電子書籍はまったく劣化せずに大量のコピーを作成できる。このことは、著者にとっては大きな問題だ。
 また、各出版社間で統一規格が出来ていないのも不安材料。ある出版社は、pdfでガチガチのプロテクトを掛けているかと思えば、ある出版社はテキストデータをそのまま流している。テキストデータそのものを流す、なんてどういう感覚をしているのだ、と聞いてみたくなる。
 最後の問題は、印税の問題。電子書籍はさきにも書いたように、流通コストも低いし在庫経費もゼロに等しい。さらにいえば、現在、電子書籍に参入している会社のコンテンツはほとんどが既刊本のDTPデータを流用したもの。ということは、制作費もごくわずか。それにしては、著者に入る印税率が低すぎなんじゃあありませんかね。紙の本の印税率が10%なんだから、電子書籍は50%くらいでもいいはずだ。

 もっとも、うちでマネージメントしている作家の言い分は別にあるようだ。田中芳樹氏は、電子書籍に自作を最後まで提供しない作家だと思われるが、田中氏の理由は非常に明快。自分は紙の本を想定して小説を書いているから。とのことだ。
 小説家が小説を書く場合、掲載メディアを意識するのは当然のこと。ハードカバーにはハードカバーの、文庫書き下ろしならば、文庫書き下ろしの文体がある。電子書籍に対しても同様だということだ。ハードカバーが文庫になる、ここまでは容認できても、そこから先の部分は感覚的に難しいのかもしれない。
 いっぽう、架空戦記などで活躍する横山信義氏の場合は、まったく逆。コンテンツさえ面白いと思ってくれれば、少々の違和感はあっても読者は付いてきてくれる。また、読者の需要がある以上、それに応えるのが作家である。という考え。これも一理あるだろう。
 もともと、田中氏は原稿の執筆にコンピュータを介在させておらず、いまだに原稿用紙に手書きで執筆している。横山氏はデビュー前からワープロソフトで原稿を書いている。このような違いも意識の差となって現れているのかも知れない。

 私がこうして書いているあいだにも、電子書籍を取り巻く環境は急速に変化している。今後の動向には注意をしておく必要が(私のような商売には、とくに)あると思われる。

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ラジコンカーの技術進歩も凄いことになっているようで

 連休4日目。東京・恵比寿は一日中、すごい風が吹いていた。まるで台風のような感じ。夕方になってから湿度もあがり、どんどん蒸し暑くなってきた。
 休みもこれだけ続くと、だんだん仕事が気になってくる。もともと仕事の総量は変わらないのだから、休みが増えたらそれだけ〆切までの日数が減るわけで、あとのことを考えると単純に喜んでばかりはいられない。きっと、来週あたりはばたばたするんだろうなあ。

 気分転換に、買ってはいたが見ていなかったDVDを見る。
 昼間から『モンティ・パイソンの人生狂想曲』を見るというのも、私の人生らしくて良いのではないか、と思う。ま、疲れたときには笑うに限るよ。うん。

 午後から遊びに来ている甥っ子にせがまれて、秋葉原にいく。学生時代から秋葉原にはよく遊びに行っていたが、最近はとんとご無沙汰している。特色(主に蛍ピン)を多用した、妙に体の凹凸を強調した女性が描かれたポスターなどをべたべた貼っているような店が増えて、どうにも居心地が悪くなったのだ。
 幸いにして甥っ子の目当ては、最近こり始めたラジコンカーの部品調達だった。
 昨今は、こんなおもちゃのようなラジコンカーの部品でも、炭素系の複合材料が使われていたりして、なかなか侮れないものがある。同じような部品でも、使われている材質によって値段が何倍にもなったりする。これじゃあ金を掛けられるオトナの方が有利じゃないか、と思って甥っ子に聞いてみると、「たしかにそういう側面もあるが、金を掛けたって下手な奴は勝てない」とのこと。なるほどね。
 そこで思い出したのが、西原 理恵子の「できるかなリターンズ」に出ていた、ロボット相撲の話。やっぱり、金を掛けたって駄目な奴は駄目なんだよなあ。
 ま、金を出せない奴は知恵を出せ、という名言の逆を考えれば、知恵のない奴はせめて金でも出しておけ、ということなのだけれど(笑)。

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メラトニンに副作用はあるのかな

 ここのところ、眠りが浅くて悩んでいる。一応、日が変わる前には眠くなるのでベッドに入るのだが、2〜3時間も眠ると目が覚めてしまう。そのまま、また眠くなることもあるし、どうしても眠れず、何度も寝返りを繰り返すこともある。
 睡眠のタイミングがずれているのか、と思い、睡眠のリズムを整える効果があるとされるメラトニンを、わざわざ個人輸入して飲んでいるのだが、これって長期間服用しても副作用はないものなのだろうか。最近、ベッドに入る前にメラトニンを飲むのが習慣になっているのだが、大丈夫なのかなあ。一応、私が調べた範囲では副作用はない、とされているのだけど。

 眠れないのなら、いっそ起き出して仕事でもしようかと思うこともあるし、実際にやってみたこともあるのだが、あまり集中できないし、翌日の仕事にも差し支える。なかなかうまくはいかないものだ。
 なによりも、ぐっすり眠ってすっきり起きる、という基本的な生活リズムが崩れているのが、なんともしんどいのである。なんとかならないものかなあ。

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T-con2003スタッフ解散式に参加しました

 連休2日目。午前中は家の片づけ。午後からは昨年の日本SF大会「とちぎSFファン合宿」略称T-con2003の実行委員会解散式に行く。解散式、と言っても、形式ばったことはなにもなく、新宿の大型カラオケ店のパーティールームで、飲みながら歓談しただけだったのだが。
 SF大会、と言ってもご存じない方も多いと思う。1年に1回、各地のSFファンが持ち回りで開催する、SFやファンタジーのファン・イベントだ。昨年は栃木県塩原温泉の大型ホテルを使い、二泊三日の日程で行われた。
 それらを準備、運営するのは、先にも述べたとおり、その地方のSFファンたち。彼らはまったくのボランティアスタッフで、手弁当はもちろん、打ち合わせの会議費や、交通費などもほとんど自腹を切って参加している。簡単にイベントと言っても、内容は多岐にわたり、作家の講演会や、フィルムの上映会、はてはカラオケ大会にゲーム大会、とさまざまな企画がある。これらを総括して運営するためには、綿密な準備が必要なのは言うまでもなく、大会直前には、文字通り不眠不休で準備作業に当たることになる。
 こんな大変な思いを、なんでわざわざ……と聞かれることも多いが、一度やるとくせになる、というか、なんというか(笑)。
 今回のT-con2003では、じつに3年前から準備作業が始まっていた。そこからずっと共に苦労をしてきた仲間たちだから、解散式というのも実に感慨深いものがある。
 ま、このなかのほとんどとは、今後もちょくちょく会っては飲むのだと思うけど。

 とはいえ、本当にみんな、お疲れ様でした。みんなと一緒に働けたことは、私の人生のなかで本当に大きな思い出となってます。どうもありがとう。そして、今後ともよろしく。

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きびきび動くソフトがすき

 連休初日。30日の金曜日を休みにして、超大型連休にした人も多いと聞く。羨ましいことである。
 私はと言えば、日頃、仕事に追われてなかなか進まないような、細々した仕事を片づける。この程度の作業ならば、自宅に置いてあるノートパソコンでも十分。エディタさえ動けばよいのだから。
 だいたい、最近のソフトはお節介すぎるのではないかなあ。最初は取っつきにくくても、使いこなすに従って手に馴染んでくるほうが私の好みには合うのだが。さまざまな機能が付いてくるのはよいのだが、それを使いこなすのには時間が掛かる。それを補おうと思ってか、別ウィンドウが開いて使い方をアドバイスしてくれるものまである。うーん。
 単機能で構わないから、動作が速くて安定しているソフトのほうが、図体がでかくて何でも出来るソフトより使いやすいと思うのは、私の頭が古いからなのかなあ。

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奇術について調査

 連休前に片づけなければいけない仕事に追われて更新が滞った。
 29日は、日本青年館で第3回ライトノベル・フェスティバルにスタッフとして参加。ライトノベルというと、一般エンターテインメント小説にくらべて一段下に置かれているような感がするのだが、大手レーベルだけを数えただけで毎月30冊以上出版されるカテゴリーというのは、もはや立派なジャンルと称してよいのでは。
 もちろん、それだけに玉石混淆の度合いも大きく、実際に読んでみないとなんとも言えないものばかり、というのが恐ろしくもあり、楽しくもあり。今回のイベントでも、たくさんのライトノベル読者が集い、それぞれの想いを語っていた。
 このイベント、前身のティーンズノベル・フェスティバルから数えて4回目になるのだが、だんだんと参加者も増えてきているようで嬉しい。ファンイベントが育たないジャンルというのもあるのだが、ライトノベル読者は意外と活動的なのかも。

 連休前に片づけなければいけなかった仕事のひとつは、うちの会社でやっている小説塾の連絡誌、「小説塾通信」の原稿。これがけっこう難渋した。たいしたことは書いていないのだが。
 あと、田中芳樹氏に依頼された調べ物。これは現在書いている長編に必要な資料ということで、手品について調査。実は私は学生時代、奇術部に所属しており、このあたりに関しては通り一遍の知識は持っている。卒業以来、奇術からは遠ざかっていたのだが、調べているあいだにまた興味がわいてきた。ちょっと手を動かしてみようか、と思う。
 指先を動かすのは、老化防止にも役立つというし。

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