読書が楽しめない商売
今日は朝から原稿読み。
うちの会社でマネージメントをしている作家のひとり、横山信義氏の新作が届いたので、チェックを兼ねて読む。こうなると、話の筋を追うなんてことは出来なくなる。ひたすら、前後の整合性や記述が正しいか、などを考えつつ、メモを取りながらの「作業」となる。
この業界に関わるようになった頃、大先輩の編集者に「この稼業に入ると、純粋に読書を楽しむことは出来なくなるよ」と言われていたが、ホント、因果な商売だ。
ことに架空戦記のチェックともなると、『戦史叢書』や『大東亜南方圏地図帖』などの資料をひっくり返しながらの作業になる。海戦場面などのチェックに至っては、方眼紙にコンパス、分度器を駆使して読むことになるから、机の上はもう大変。
正直、ここまで考えなくてもいいのかなあ、とも思うのだが、これをやっておかないと、こっちが落ち着かなくなる。
まさに因果な商売に就いてしまったなあ、と嘆く次第。
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コメント
>正直、ここまで考えなくてもいいのかなあ、とも思うのだが、
やってもらわないと困る、キッパリ!
(言ってみたかった・・・・(^_^)
一読者(トカ)
投稿: 酔うぞ | 2004年10月 7日 18時38分
酔うぞさん、ども。
はい、これからも読者の皆さんを失望させないように頑張ります。
どうぞよろしく〜。
投稿: 安達裕章 | 2004年10月 7日 20時00分
こんにちは、安達さん。
一冊の本を出版する為に、様々な人達が頑張っているんですね。〆切に追い掛け回される作家の先生はもちろんの事、中々筆の進まない先生から原稿を貰おうと、必死な担当者さん。誤字脱字が無いかを確かめる校正さん。一冊でも多く売れるようにと、あちこちの本屋を駆け回る販売担当さん。浅間山の噴火で、ヤキモキした作家秘書さん。
一冊の文庫本には、いろんな人の汗と涙と魂が込められているんですね。
投稿: 黒色両眼 | 2004年10月 9日 22時03分
黒色両眼さん、ども。
いやはや、本当に本というのはたくさんの人々の血と汗と涙の結晶です。この業界で長年活躍されている方々の苦労話を、ちょっと聞いてみただけで、日頃の私の苦労など、苦労のうちに入らないことがよく判ります(笑)。
とはいえ、これからも皆さんに満足していただく作品をお届けするために、どんな苦労も厭わないで頑張る所存ですので、ひとつよろしくお願いします。
投稿: 安達裕章 | 2004年10月10日 05時58分