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時代小説の愉しみ

 通勤時間にはたいてい文庫本を読んでいる。
 昨日、池波正太郎の『真田太平記』全12巻を読了した。この作品は学生時代にも読んだので、二度目の再読となる。
 十代の学生時代とは、同じ作品から違った印象を受けるのも再読の面白さだ。

 ことに『真田太平記』は、池波正太郎には珍しい大長編作品であり、登場人物の動かし方や場面展開などに、いつもの池波正太郎とは違った個性があって興味深かった。
 よく、短編がきちんと書ける人は長編もうまい、と言われる。これは確かに事実であるのだが、長編とひとくちで片づけても様々な表現技法がある。私が一方的に先輩だと慕うベテラン編集者によれば、時代小説の書き方のひとつに「絵巻物」というのがある、とのこと。
 ひとつひとつの小さな物語が、それぞれに絡み合いながら壮大なひとつの物語を形成していく手法だ。このような作品が書ける人は、過去も含めてあまりおらず、池波正太郎もその一人だという。

 池波正太郎が短編の名手であることは、あらためて言うまでもないことなのだが、その一方で「絵巻物」時代小説が書けたというのは、やはり素晴らしい才能だったのだろう。
 余談になるが、田中さんの『銀河英雄伝説』も、この「絵巻物」の手法を用いて描かれたSF小説だとのこと。だから『銀河英雄伝説』を愛読している人には、時代小説の大長編モノなどがけっこう合っているのかも知れない。時代小説の愛読者に『銀河英雄伝説』を薦める気はないけど(笑)。

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