昨日から1泊で谷甲州ファンクラブ「青年人外協力隊」の忘年会に出向いた。
今回は箱根湯本の「ペンションおかだ」にて開催。例年は20名近いメンツが揃うところ、関西方面のメンバーが「日頃お世話になっているダイビングショップの忘年会に行かねばならない」ということで大量に欠席。そうなのだ。谷甲州ファンクラブでは、数年前からダイビングが大流行しているのだ。水中呼吸の出来ない人間が、補助具を背負ってまで水の中にいるというのがどうにも不自然に思えてしまう私なのだが、一度やるとやめられないくらい面白いそうなので、遠くで見ているだけにしている。
ということで、都合8名(うち父娘連れの家族が1組)が集った。これはこれでこぢんまりしていい感じ。
会場となった「ペンションおかだ」は、宿のなかに大浴場がない替わりに、隣接する日帰り入浴施設をタダで使えるというもの。これは意外にポイントが高かった。とりあえず、露天風呂からサウナ、寝湯、打たせ湯、バイブラ風呂(要はジェットバス)などが揃い、一通り回るだけで疲れるほど。ま、お湯は温泉といっても循環+塩素消毒付きというものだったのだけど、これは仕方がない。
「箱根湯本駅から徒歩20分」という幹事の言葉を素直に信じてしまった私は、途中、菓子舗ちもとで「湯もち」を買ったりして、のんびり川沿いの道をてくてく。途中から、やけに道が急勾配になっていく。最後は仰ぎ見るくらいの急坂。聞いてないぞ、こんな難関があるなんて!
すっかり汗だくになってしまった私は、部屋に荷物を置くのももどかしく、件の入浴施設に飛び込んだわけ。
露天風呂で、さきに到着していたメンバーと会い、久闊を叙しつつ汗を流す。先ほどからぽつぽつと降り始めた雨が、だんだん勢いを増していき、露天風呂からはどんどん人がいなくなる。おぉ、貸し切り。などとつぶやいて浴槽に浸かるものの、やっぱり冷たい雨に打たれながらの入浴は落ち着かない。さっさと屋根のある風呂に戻ることに。
さっぱりしたあとは、宴会前の軽い宴会。いわゆる宴会の練習。一応は作家のファンクラブらしく、話題は昨今の小説事情。ひとり、冒険小説についての思い入れが激しいメンバーがおり、熱弁をふるうのだが、そもそも風呂あがりで茹だった状態では、何を言われてもふぅん、ふぅん、という感じ。いや、悪気はないのよ。
そうこうしているうちに宴会の時間となり、地下の食堂に移動。風呂と同様、ここも実はペンションとは別施設。こういう施設展開で、経費を安く抑えているのだろう。
なにはともあれ、酒、酒、酒。ビールと酒とウィスキーが、またたくまに消費される。飲み放題オプションを設定しておいた幹事に神の加護があらんことを。とはいえ、青年人外協力隊が発足した当時の消費量から考えれば、比べモノにならないくらい大人しくなったのも事実。やっぱりみんなトシをとったんだよ。
宴会が終わって、部屋に引き上げてまた酒を飲む。話題は本ばかりではなく、さまざまな方に波及していく。さきほど熱弁をふるっていた彼は、今度は酒の好みの話で、またも熱弁。相手になる人も同じような魂をもっているようで、二人だけの世界で激論が交わされている。ほかのメンツは、コレ幸いとばかりに部屋の隅に置いてあった応接セットに移動して、おとなしく、かつ楽しい会話。
途中、熱弁をふるっていた彼が乱入しようとしたとき、こちら側から「あんたの言いたいことはわかった、すごい。尊敬してやるから少し黙れ」とのセリフ。なんともはや(笑)。
とはいえ、やはり日頃の仕事で疲れが溜まっているメンツ。日付が変わる頃には少しずつ沈没する人が出始め、午前3時過ぎには、私をふくめて3人が残るだけ。そのときの話題が、CMOSセンサとCCDセンサを例に考察する日米産業構造の変化と展望、だったりするのは何でだったっけなあ(笑)。
4時に眠って8時に起き、まずは風呂に。昨夜、屋根を叩く音がうるさいほどだった雨は嘘のように上がっている。ただ、風は強い。そんななか、またもや露天風呂めぐりをする我々。
風呂から上がったら、すぐに朝食となったのだが、あれだけ飲んでおきながら、全員がばくばく飯を食うのも考えてみたらすごいことだ。
食後、一息ついてチェックアウト。
箱根湯本の駅まで歩く。帰りはまさにあっという間。下りは早いね。
私は用事があって先に帰ることにしていたのだが、残りのメンバーは箱根の大沸谷を見て帰るはずだった。ところが、強風のためにロープウェーは運休。そればかりか、東京に戻る私が乗るつもりだったロマンスカーも運休とのこと。
仕方がないので、私は小田原まで出て、そこから新幹線。箱根観光組は、彫刻の森美術館を見る、ということになる。
最後がちょっと残念だったけれど、それなりに楽しい週末を過ごすことが出来た。
幹事に感謝しつつ、通勤電車なみに乗客がすし詰めになった箱根登山鉄道に揺られていた私だった。
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