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食べ物の好き嫌い

 うちの会社に所属する作家のうち、食べ物の好き嫌いがいちばんはっきりしているのは田中さんだろう。まず、茄子がダメ。焼き茄子、煮物、炒め物、どんなかたちにしてもダメ。福神漬けに入っている細切れの茄子でもダメだというのだから徹底している。私にしてみれば、茄子はほとんどが水分なわけで、たいした味もないだろうと思うのだが、意外と茄子が嫌いという人は多いようなので、なにか別の要素があるのだろう。
 田中さんがダメなものは、ほかにもある。キノコ類はほぼ全滅。タケノコも進んで食べようとはしない。要するに「食感を楽しむ」系の食べ物は苦手だということらしい。あとは「面倒くさい食べ物」は嫌がる傾向が見られる。秘書になって10年弱、いろんなところに連れて行ってもらったが、いまだに「蟹を食べに行こう」と誘われないのは、きっとこのせいだと思われる。
 ただ、そのあたりを除けば田中さんは、こと新しい味を探求することには熱心なタイプだと思う。私は気に入ったモノならば、毎日同じモノを食べても文句をいわないタイプなのだが、田中さんは同じモノを食べるくらいなら、ちょっと歩いたとしても新しい店を開拓しよう、というタイプ。一人暮らしが長かった(現在も夏の間は一人暮らしだし)ということもあるのだろうが、一人でふらっと新しい店に入ることを厭わない。軽井沢は、けっこう店の新陳代謝が多く、美味しい料理を出すので去年は足繁く通った店が、今年は営業しなかったなんてことも多い。逆を言えば、それだけ多くの新規店がオープンしているわけで、順に試していったとしてもけっこうな時間が掛かるほど。
 こういう場合、私だったらガイドブックを見たり、いまだったらネットで評判を調べたりして見当を付けるのだが、田中さんの場合はいきなり入ってしまう。「当たり!」と教えてくれる場合も多いが、「はずれだったよ~」と電話してくることも多いので、それなりにスリリングな様子。ガイドブックなどを当てにしないということは、それだけ自分の舌に自身があると言うことで、それはそれでかっこいいことなんだけどね。

 やっぱり好き嫌いはないほうがいいと思うなあ。

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コメント

最近、小野塚の会社はかにの剥き身を扱い始めました。
棒肉、フレーク美味しく作っています。
なんなら送ってみるが、田中さんは面倒でなくても食べないのではないか?

投稿: 小野塚 | 2005年4月14日 20時18分

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