怪しいセールス、みたび
で、10分くらい後のこと。
みたびやってきた女性。今度は名刺を渡して去っていった。
この名刺を信用する限りでは、住友生命のちゃんとした外交さんなのだが。
うーん、これでいいのか?
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で、10分くらい後のこと。
みたびやってきた女性。今度は名刺を渡して去っていった。
この名刺を信用する限りでは、住友生命のちゃんとした外交さんなのだが。
うーん、これでいいのか?
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さきほどの怪しいセールス(?)が帰って30分後、ふたたび彼女がやってきた。
どうやら用事があるのは私の友人だったらしい。彼は仕事の都合で日本を離れているのだが、その際の国内連絡先を私が引き受けているのだ。
さきほども彼の名前を出してくれてさえいれば、すべて丸くおさまったのに。
では、彼に連絡をしてアナタに電話をさせれば良いのですか。と聞いたら、そうして欲しいと言う。ふむ。
では、名刺を頂けますか。と聞くと、「いま持ってない」「あとで玄関のドアに挟んでおく」などと言い出す。
いちどは消えていた「危ないぞ」警報が、またまた点灯。
いやしくも天下の住友生命が、こんな変な人を雇っているとは思えない。
こっちが黙っていると、「じゃ、名刺を取ってきます」と言って、なんか慌てた風情で外に出て行った。うむむ、ますます不審な気が。
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私の会社には、ときおり、変なセールス(?)がやってくる。
今日は、住友生命を名乗る不審な女性がやってきた。ちなみに、私はこの生命保険会社とは契約していない。
「あの〜、住友生命の本社の方から言われてやってきたんですけど……」
この時点で、私の頭のなかの「危ないぞ」警報が点灯。
だって、本社の「方」だよ。消火器サギでも多用される手口だ。消防署の「方」から来ました、ってやつ。
「安達さん、契約をしてますよねえ?」
……してないし。そもそも、契約しているかどうかを顧客に尋ねるのだとしたら、まず自分から「○○の契約の件で」って言うのが普通だろ?
で、契約してませんよ。と答えたら、オーバーなほど驚いてるし。
「してませんか?」って聞き返すので、「してません」と答えて、ドアを閉めた。
考えてみたら、最初に名刺を出さなかった時点で怪しかったしなあ。
もし、このblogを住友生命に関わりのある人が見ていたら、変なセールスが住友生命の名前を型っているみたいだよって教えてあげてね。
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今月は、うちの会社にとって記念すべき月になった。
「らいとすたっふ小説塾」第一期生の澤見彰さんが、いよいよ光文社のカッパ・ワンでデビューしたのだ。昨今は作家を志望される方が増えてきて、なかなか競争も厳しいと思うが、これだけのモノを最初から書ける人だから、どんな嵐も乗り越えてくれると信じている。
表紙カバーは、澤見さんのたっての希望で、萩尾望都さんに描いて頂いた。新人のデビュー作の装画をお願いするのは気が引けたのだが、やはり頼んで正解だった。作品世界のイメージを、ここまで発展させて描いて頂けるとは。大感謝。
作品タイトルは『時を編む者』。ぜひ書店でお手にとっていただきたい。
もうひとつ。
うちの会社の社員で、田中さんのもとで文章修行を続けていた小前亮が、中国歴史物『李世民』でデビュー。いきなりハードカバーでの出版ということからも、講談社の期待のほどが伺える。
彼は、澤見さんも学んだ小説塾の主任講師として、塾生の指導にあたるほか、私の右腕としてさまざまな業務をこなし、そのうえで小説を執筆していたのだから素晴らしい。正直言って、私にはとうてい真似出来ない律儀さを持った男である。
前社長から突然、会社を引き継ぐことになったのが29歳の秋。おもえばいろんなことがあったのだが、所属作家さんはもちろん、関係各社の皆さんのご助力で、なんとかここまでやってくることが出来た。
これからも、1冊でも多く面白い小説作品を世に出すお手伝いをしていきたいと思っている。
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長野の友人から「アスパラガス、好き?」とメールが来たので、「よく買って食べているよ」と返信したところ、数日後、会社に大量のアスパラガスが届いた。
この写真、すでに社員にお裾分けをしたあとの箱。この箱にぎっしりとアスパラガスが詰まってたワケだ。
こんなにいっぱい、どうしろと言うのだあ。(ま、順当に考えれば「食え」ということになるのだが)と思いながら持ち帰り、いつものようにさっと茹でて食べてみたところ、いつものとまったく味が違う。
聞けば、朝取りのアスパラガスを、そのまま送ってくれたとのことで、鮮度が抜群だった様子。たしかに、モノの本を読むと「アスパラガスは収穫されてから時間を経れば経るほど、皮が固くなるし、味も落ちるので、なるべく早めに調理すること」と書いてあるのだが、ここまで違うものだとは。
こんなにいっぱい……などと思っていたのだが、あっという間に食べきってしまいそうだ。う〜む。
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休日出勤して打ち合わせを済ませ、会社を出たのが午後4時前。
久しぶりに新宿のカメラ量販店を覗く。
実は、(また)新しいデジカメが欲しいなあ、と思っているのだ。
現在、鞄のなかに常駐させているデジカメは、カシオのエクシリムEX-S3。
これ、起動してから撮影可能になるまでの時間がきわめて短いうえ、コンパクトでたいへんに重宝している。だいたい、このレベルのデジカメは画像メモとしての役割を期待しているわけだから、画質よりも使い勝手が優先されるのは当然のこと。
ただ、画像メモとしての使い勝手を考えたうえで、唯一の欠点なのがマクロ撮影モードがないこと。
田中さんの取材に付き合っているときなど、この欠点が大きな障害になることもある。
だもので、夏のボーナスシーズン目当てで出た新機種に、なにか良いものがないかを見に行ったのだ。ちなみに、当然だが私にはボーナスなどない。社員には出したけどね。
最初に手に取ったのは、やはり今までの実績があるカシオ。数日後に新機種EX-S500の発売を控えていると言うことで、特設ブースまで出して宣伝をしていた。が、行ってみて驚いた。新機種はデモ機が間に合わなかったのか、模型しか用意されていない。大きさや握り心地は判るんだけど、これじゃあ意味ないよなあ。
今回の新機種は動画機能を高めたということで、MPEG-4ムービーを最大1時間も撮ることが出来るらしい。これはこれで凄いと思うんだけど、残念ながら私の用途には向いてない。
だいたい、光学3倍とかのズーム機能を付けたら、必然的にレンズがせり上がるようになるわけで、そうなると起動時間は遅くなる。なんともはや。
次に見たのが、フジのFinePix F10。これは、ISO換算1600相当の高感度を実現することで、暗いところでの撮影や手ぶれ防止を狙ったという意欲的なモデル。実際、使っている人の評判もよいようで、以前から気になるカメラではあったのだ。
で、実際に触ってみた感触でいうと、起動の際にスプラッシュ・ムービーが出たので一瞬身構えたのだが、スイッチを入れてから撮影開始まで、所要時間は3秒弱。ま、許容範囲かな。
例によってレンズがせり上がるのは気にくわないのだが、これは仕方ないか。
と思ってよくよくスペックをチェックしたところ、記録媒体のところで引っかかった。xDピクチャーカードではないか。なんでSDじゃダメなんだよぉ。
確かに良いカメラであることは判るのだが、これ以上、我が家のメモリ・カードの規格を増やすことは出来ないので、これも候補から落ちる。
うーん、なかなかうまいものはないんだなあ。
画素数なんて、せいぜい250万画素でもあれば十分なので、起動が早くてコンパクトでマクロが使えればいいんだけど。
ぶつぶつ言いながら店内をうろついていたところ、つい目に入ったのがEOS Kiss Digital N。
いや、一眼レフデジカメは今回の対象外だから……などと言いつつ、つい手に持ってしまう。驚くほど軽い。本体後面の液晶モニタの上には、情報が一元表示されるディスプレイがあって、初心者の人にも使いやすいように考えられている。ふむ。
私はカメラはずっとNikon派だったのだが、ずいぶん前にNikonのユーザー・サポートと喧嘩して以来、Nikonを使ってない。小遣いをはたいて買ったD100も、いまではもっぱら父親が使っている。
そうかぁ。Canonって、こういう製品作りをするんだ。へぇ……。
危ない、危ない。
あやうく大きな買い物をしてしまうところだった(笑)。
うーん、起動が早くて、コンパクトで、マクロが使えるやつ、どっかで開発しないもんかなあ。
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最近、睡眠時間が減っている。だいたい、日付が変わるくらいに床について、午前5時前には目が覚める生活。平均すると、睡眠時間は4時間半くらいかな。
聞くところによれば、一般的に人間の睡眠時間は1時間30分のサイクルで回っているらしい。それが正しいとすれば、私の睡眠時間は3サイクルだということになる。
田中さんは、「できれば、毎日10時間は寝たい」のだそうだ。「締切前だと、よけいに眠い」というのは、逃避行動?(笑)。
東京にいるときは判らないが、軽井沢にいるときは自然と早起きになるようだ。以前、田中さんの山荘に泊めてもらったとき、午前7時過ぎには起きてこられたので驚いた覚えがある。ま、私もその時間には起きていたんだけど。
作家さんというのは、出社時間もなにもないだけに、それぞれ好きな生活サイクルを選ぶことが出来るはずなのだが、なぜかうちの会社に所属している作家さんは、みんな朝方、昼型。
ちゃんとこちらの勤務時間内で連絡が付くので助かる。
親しい編集さんから聞いた話では、夕方に起き出して深夜にかけて仕事をし、朝には寝てしまうような人もいるそうだけどね。
ま、いつ仕事をして、いつ寝るにせよ、ちゃんと原稿さえ書けるのならば、それが一番なんだよね。
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昨日は、うちの会社の事務所で、芦辺拓さんのインタビューが行われた。取材にみえたのは、『活字倶楽部』の女性編集者さんたち2人。彼女たちとは、以前、田中さんへのインタビューで一緒にお仕事をさせていただいたのだが、取材相手の語りたいことを的確に引き出すインタビュー・スキルに、敬服した記憶がある。
今回も、ややもすると脱線しがちになる芦辺さんのお話(それはそれで、とても楽しいのだが)を、話の勢いを削ぐことなく本筋に誘導していき、より深い話を聞き出していた。こういうスキルは、まさにセンスの問題で、学んだからといって誰もが身に付くものではないと思う。かといって、彼女たちは自分たちの持って生まれたセンスだけで勝負しているわけではない。昨日のインタビューを通しても、彼女たちがインタビューに先立って、芦辺作品をかなり読み込んできたことは判ったし、準備は万全に果たした上で当日に臨んだことが伝わってきた。
私も仕事柄、インタビューのようなことをさせていただくこともあるのだが、非常に参考になる一日だった。
今回のインタビューは、7月25日発売の『活字倶楽部』に掲載される予定。
芦辺さんのファンのみならず、ミステリ、いや、エンターテインメント小説を愛好する方なら、誰でも楽しく読める内容となると思われる。お楽しみに。
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さきほど、ちょっとした手紙を書いていた。ふだんの書類はワープロで書くのだが、人にあてての手紙は万年筆またはペンを使って書くのが私の流儀。
日頃の無沙汰をわびつつ、用件をしたためて出来上がり。
ふと見ると、右手の中指にくっきりしたペンの跡がついていた。
私は筆圧が高いので、自然とペン軸を支える指にも力が加わることになる。そのため、以前、仕事で技術屋をやっていたときには、巨大なペンだこが出来ていた。
この仕事に変わって、図面を引くこともなくなり、書類などはワープロやエディタで書くのがもっぱらになり、いつしかペンだこも消えていた(らしい)。
らしい、というのも、ペンだこが消えていることに気付いたのが、つい先ほどだったから。
考えてみれば、当時は毎晩おそくまで残業して、ドラフタ(製図板)の前で呻吟していたもんなあ。
もう一度、あの仕事に戻れと言われても、ぜったいに無理なのは確かなのだけど、慣れ親しんでいた巨大なペンだこがいつの間にか消えていた指を見て、漠然とした寂しさを感じたのも事実なのだ。
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昨日の藤田さんと田中さんの食事会。
スタッフのひとりがネットで評判の良いイタリアレストランを見つけ、場所も値段もちょうど良かったので、試しに使ってみたのだが、ここが大当たり。
料理も美味しいし、飲み物の品揃えも満足。さらにはスタッフの教育が非常に行き届いていて、ホスピタリティにあふれるもてなしを受けることが出来た。
ひとつ問題といえば、料理のボリュームかな(笑)。
最後のデザートまで平らげたら、おなかが苦しくて動けなかった。
ダイエット、頑張らないとなあ。
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今日は午後から、田中さんと漫画家の藤田和日郎さんとの対談収録が行われた。
本当は私も同席したかったんだけど、事務所での仕事が残っていたので、田中さんの仕事場に藤田さんをご案内しただけで、いったん引き揚げ。仕事のあいまに、こうやってブログを書いている。
編集さんと、うちのスタッフとで対談をまわすことになっているのだけど、果たしてどんな話が語られているのだろうか。おそらく、たいへんに盛り上がっているのだろうなあ。うーん、残念。
対談のあとは、場所をうつして食事会、ということになっている。
それまでに、ちゃんと仕事を終わらせなければ。
ちなみに、この対談は光文社の雑誌に掲載される予定。詳細が決まったら、またアナウンスさせてもらいます。
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どこぞでも書いたのだが、うちのアホ息子(4歳11ヶ月)は、「タイムボカン」がお気に入り。タイムボカン「シリーズ」ではない。シリーズ最初の「タイムボカン」である。
もともとは、ケーブルテレビの放映を見てハマったのだが、私が知人よりDVDボックスを譲ってもらったり、会社の近所にある某マンガ関連のグッズ屋さんでオモチャを買って与えたりしていたら、どんどん深みにはまっていった。ちなみに、段ボールでこんなものを作ったりもした。
いまでは、幼稚園のお絵かきでは「メカブトン」「ドタバッタン」「クワガッタン」の絵を描いては、お友達から不審がられ、挿入歌を口ずさんでは、先生からも不審がられている。
もともと1975年にスタートした作品なので、じつに30年ちかく前の作品になるのだが、現在でもまったく遜色なく楽しむことが出来る、大変に良くできたギャグアニメだと思う。
子どもは、こういう面白さをちゃんと判るんだなあ。
などと感心していたら……。
このたび、タツノコで「タイムボカン」がリメイクされることになったというではないか。
いやはや、これでまたしばらく、うちのアホ息子は「どっこから来ったのかごっくろうさんねえ〜」と歌い続けることになるんだろう。
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6月4日〜5日にかけて、信州・白馬で行われたSFファンの集まり、「ローカル・リフレッシュ・コンベンション」(略称・ロリコン)に出席してきた。
今回のゲストは小川一水さん。これだけでも豪華なのに、直前になって神林長平さんが(一般参加者として)参加することになったり、と、実に盛りだくさんの内容だった。
SFコンベンションは、主催団体によってそれぞれの特色があり、参加するほうはその違いを味わうのも楽しみの一つなのだが、このロリコンは白馬高原の清冽な空気と、家庭的で素朴な美味しい料理、それにホスピタリティーあふれるスタッフによる居心地の良い空間、と三拍子そろったコンベンション。
私などは、日本SF大会に参加しないことがあっても、このロリコンだけには参加したいと真面目に考えてしまうほど。
夜中まで遊んでぐっすり眠ったあとは、オプショナルツアーとして、八方尾根までの「遠足」がある。ゴンドラで登ったさきには、まだ雪が残っていた。
さらに、ここからリフトに乗り継いで、水芭蕉の咲き誇る高原へ。
私はここまでだったのだが、ゲストの小川さんたち一行は、さらに上を目指すリフトに乗っていった。うむむ。
ひとまず、ここで解散をしたあと、穂高の蕎麦屋「くるまや」へ。
ここには、5人前の蕎麦をひとつのざるに盛った「気狂いざる」というメニューがある。私たちのテーブルでは、女性が3人で一つの「気狂いざる」をオーダーした。ちなみに、この写真で横においてあるのは、私が頼んだ「二人前もり」のざるそば。
ご覧の通りの盛りの良さ。都内の蕎麦屋のように、ちょこちょこっと盛って「はい、一人前」などとシケたことは言わないのだよ。
たっぷり食べて、今度こそ解散。
すぐそこにある立ち寄り湯に心惹かれはしたものの、この満腹状態で風呂に入ったら、確実に眠ってしまう、と思い、泣く泣く諦める。
ま、途中の高速道路で眠気に襲われ、サービスエリアで仮眠をとったくらいだから、ここで1時間ほど無駄にしても良かったのだけどね。
なにはともあれ、たっぷりとリフレッシュさせてもらうことが出来た。
スタッフの皆さんには、心からの感謝を。
また来年も、よろしくお願いしますね。
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先日、田中さんから「歯の詰め物が取れたので、歯医者さんに行ってくる」と言う電話があった。その後、数回通ったようだが、ようやく完治したとのことで、「今日が最後の通院だ」と喜びつつ、さきほど出かけていった。
聞けば、自宅から電車を3本乗り継いでいくらしい。
もちろん、自宅近くにも歯医者さんはある(うちの会社の1階下も歯医者さん)。なんでそんなに遠いところに行くのよ、と聞いてみたら、「だって痛くないんだもん」との答え。子どもじゃないんだから。
とはいえ、最近の歯医者さんは痛みを感じさせない、というのがひとつの流行らしい。すごい例では、笑気ガスを使って無痛治療をやっているなんてところも。乳歯の頃から虫歯持ちで、歯医者さんには何度となく通った私からすれば、ちょっとの痛みを我慢するのと、亜酸化窒素ガスを吸うのと、どっちを選ぶ?と聞かれたら、「ちょっとくらいなら我慢します」と答えるんだけどなあ。
うちの息子も、先日、歯医者さんに掛かった。2本の虫歯を治療するために、けっこうな回数を要したので、なんとなく釈然としない思いを抱いていたのだが、幼稚園で息子と同じクラスのお母さんに聞いてみると、もっとすごい子がいて驚いた。
まず最初は、治療台にも座らないんだそうだ。ただ、歯医者さんの治療室で、歯科助手のお姉さんたちと遊ぶだけ。次に、お母さんに連れられて、治療台に座ってみる。その次が、お母さんが横にいる状態で、治療台に座って口を開けるところまで。4回目にしてようやく治療が始まる、とのこと。
最初に「歯医者は怖い」という意識を植え付けてしまうと、あとの治療がやりにくいので、こんな手順を踏むらしいのだ。
う〜ん、付き合うお母さんも大変だなあ。
私の子どもの頃は、住んでいたマンションの2階に歯医者さんが入っていて、そこに通っていた。なぜか現役の野球選手が多く通っていて、待合室で一緒になることもしばしば。
憧れの野球選手が近くにいると思うと、子供心にも、あまりみっともない真似は出来ないと思い、少々の痛みは我慢していたのだが、ある日、神経にも達する虫歯を治療する際、ぐりりっと虫歯の穴に器具を差し込まれ、悲鳴をあげてしまった。
よほど大きな声を出したのだろう、待合室にいた田淵選手が顔を出して「坊主、頑張れよ」と声を掛けてくれた。不思議なことで、そのひとことで以後の治療は我慢できたのだから、我ながら現金なガキだったのだろう。
そのとき、帰り掛けにもらった田淵選手のサインは、いまでもどこかにしまってあると思う。「ごはんを食べたら歯を磨こう」という歯磨き会社の宣伝用下敷きに書かれたサイン。考えてみたら、不思議な取り合わせだよねえ。
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高額納税者公示制度、いわゆる「長者番付」が来年から廃止されるそうだ。
そもそも、「あの人はずいぶん稼いでいるのに、税金を払っていないようだ」と、第三者が「監視」させるために創設された、いわば密告奨励制度なのだそうで。
昨今の個人情報の保護の流れからも、公示することにより生じる問題を無視出来なくなったらしい。当たり前だ。
だいたいが、この「番付」に載った人というのは、高所得者のなかでも(あるていどは)正直に所得を申告し、納税を果たした人だ。先日、逮捕された堤氏の例をひくまでもなく、もっともっと稼いでいるはずなのに税金を払っていない人は、ほかにもたくさんいるわけだ。一市民としては、税務署にはそちらの方に対する対策をしっかりやって欲しいなあ。
私たち小市民の小さな財布からコツコツ税金を取るよりは、そういう人からガッポリ取った方が効率もいいと思うしね。
そういえば、田中さんが『銀河英雄伝説』で、はじめて長者番付に載ったときのこと。某新聞社から電話が掛かってきたそうだ。
「えーっと、あなたはどんな小説を書いているんですかね?」と。
田中さんにしてみれば、仕事場の電話番号を調べる手間を掛けるなら、近所の本屋に出かけていって一回りするくらいの手間を掛けてもいいだろうに、と思ったらしい。
その横着な記者さん、きっと今はインターネットの検索だけで、すべてを調べた気になっているんだろうなあ。
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