台湾(2日目)
台湾2日目。
ホテルのビュフェで朝食を摂ったのだが、パンや卵料理、ハム、ベーコンなど、いわゆる普通のビュフェ料理の横に、お粥や炒飯などがあるのがいかにも台湾流。リクエストに応じてオムレツを作ってくれるサービスは、日本でもアメリカでも見たことがあるのだけど、同じような感じで、リクエストに応じて坦仔麺を作ってくれるのには驚いた。
午前9時、ホテルに島崎先生と既晴先生が迎えに来て下さった。既晴先生は、台湾で人気の若手ミステリ作家。芦辺さんは、前夜、書店に寄った際、既晴先生の著作を買っていたらしく、本にサインをお願いしていた。と、既晴先生も芦辺さんの著作を持ってきていて、こちらにもサインをお願いされる。時ならぬサイン交換会の様子が下の写真。どうでもいいけど、ちゃんとソファがあるんだから(笑)。
タクシーに乗って、故宮博物館へ行く。ここには以前も来たことがあるのだけど、べらぼうに広い敷地に膨大な数の展示品があり、正直いって途方に暮れた記憶があった。今回は、昼過ぎから台湾のミステリ書評家の方とお会いすることになっているので、見学にあてられる時間はわずかに2時間半。これはよほどうまく回らないと駄目だなあ、と覚悟していたのだけど、なんと故宮博物館は2006年12月末日まで、大規模なリニューアル工事を行っていた。
入場券には「この券をお持ちの方に限り、2006年12月まで、もういちど再入場が出来ます」と書いてあるし(笑)。
結局、展示スペースは普通の美術館一つ分にも満たないくらいに縮小されていた。でも、私たちにとって、これはありがたい状況。狭くなった展示室に、例の「玉で出来た白菜&コオロギ」や「まるで肉みたいだけど、実は石」や、「オリーブの種に屋形船を彫り込んじゃいました」「象牙の球なんですけど、中身は17層にもなってます」なんていう、いわば千両役者がぎゅうぎゅうに詰め込まれていたのだ。おかげで大混雑ではあったものの、見たいモノはすべて見ることが出来た。さらにいえば、人と人とのあいだが狭いので、ほかの団体さんが雇った日本語ガイドの説明が十分に聞こえて、こちらとしては大助かりだった(笑)。
お庭にあった孔子様の像の前で記念撮影をして、ミステリ書評家の方と待ち合わせている「上田珈琲店」に向かう。
この珈琲店は、もともと日本人が経営していたとのこと。でも、メニューを見た限りでは、ずいぶんと台湾ナイズされているようだ。
ここで昼食としてオーダーしたのが「勝丼」。日本でいうところの「カツ丼」だ。
でも、やっぱり台湾ナイズされている。出てきたものはコレ。
カツ丼と言っても、卵でとじてあるわけでも、ソースで味付けされているわけでもない。タマネギを甘辛く煮付けたものが、カツの上に掛かっている感じ。美味しかったけどね。
ここで合流されたのが、島崎先生をして「台湾ミステリ評論家としてはナンバーワンの実力をもつ」と言わしめた凌徹さん。ありがたいことに、彼は非常に流ちょうな日本語を操る。聞けば「原語で日本語ミステリを読みたいので、独学で勉強しました」とのこと。いやぁ、これは凄いことよ。
なんと、ここでの談義は6時間以上にも及んだ。芦辺さんは「もうちょっとでエコノミー症候群になりそうでしたよ」と笑っていたが、さもありなん。
夕方から、台湾でも人気の海鮮料理店「海覇王」に移動して夕食をご馳走になる。
ここでは、台湾の出版社小知堂文化事業の編集さんと、時報出版の編集さんとご挨拶。小知堂文化は、「yaputo」(野葡萄)という雑誌を出している。これは、いわば台湾版の「ダヴィンチ」。島崎先生もミステリ評論の連載を持っておられた。
ここでの料理も大変おいしく、わしわしと食べてしまう。帰国後の体重計が怖いが、あえて気にしないことに。
特製のデザートとして出てきたのは、薄緑色をした果物を薄く切ったものに、甘いかき氷風の氷がまぶしつけてあるというもの。口に入れると、甘酸っぱい味が口のなかいっぱいに広がる。香りも清冽で、とても美味しい。
「さて、この果物はなんでしょう」と聞かれたが、想像も付かない。メロンでもなし、スイカでもなし、う~ん。
答えはマンゴーだそうだ。
「台湾には、いくつもマンゴーの種類があるんですよ。7月が旬なので、よければまた来て下さいね」と言われ、一も二もなく再訪を約束。我ながら食い物への執着は呆れるほど(笑)。
お店を出たところで島崎先生たちと別れ、既晴先生にホテルまで送っていただく。いやはや、今回の旅行は皆さんにお世話になりっぱなしでしたぁ。
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