訃報
久しぶりの日記だが、悲しいお知らせ。
元講談社文芸図書第三出版部部長で、いわゆる「新本格ミステリ」の生みの親の一人であった宇山日出臣氏が、一昨日(8月3日)の夕刻に急逝された。
中井英夫氏に限らず、この方にお世話になった人は多いだろう。もちろん、うちの田中芳樹も例外ではない。私は作家秘書としてのお付き合いだったが、宇山さんのお姿を見るだけで背筋が伸びた。
講談社を定年退職される直前、「子どもとかつて子どもだったあなたへ」をコンセプトにした「講談社ミステリーランド」を立ち上げ、田中氏はここで『ラインの虜囚』を発表させてもらった。田中氏にしても楽しい仕事だったようで、私に向かって「子どもの読者を対象にしたジュブナイル作品を書くというのも、なかなか楽しいものだね」と言っていた。この後、さらに「うつのみやこども賞」を受賞したことで、さらにジュブナイル作品への意欲も高まったようだ。
これらはすべて、宇山さんが敷いてくれたレールによるものなのだ。
正直、まだまだ活躍して欲しかったし、教えていただきたかったことも多い。
でも、おそらくいちばん残念なのはご本人だろう。
そんな宇山さんに、お伝えしたい。
大丈夫ですよ。宇山さんが遺してくれたものは、後輩の皆さんがきちんと継承されていくでしょう。どうぞ安心してお休みください。
今日まで、ほんとうにお疲れさまでした、と。
心よりご冥福をお祈りします。
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コメント
たびたび失礼致します。
講談社さんからのメルマガで氏の訃報を知ったのですが、
新本格の一ファンとしてとても悲しかったのです。
メルマガが9/3に届いたのですが、
お日にちまでは書かれてなかったので、
こちらで分かって少し安堵しました。
投稿: りる | 2006年9月18日 16時53分