学校を卒業して初めて就職した会社で、社会人として必要なさまざまなスキルや常識をたたき込まれた。名刺交換の作法から、電話の応対の仕方、手紙の書き方、果ては会食の席次まで。
まさか、そのときは数年で退社してしまうとは(私も向こうも)思わなかったのだけど、教えてもらったコトは、その後の人生で大変に役立っている。
そのなかに、「報告と連絡と相談」というのがあった。昔は「ホーレンソー」とか、べたべたな言い方をしていたな(笑)。要するに、上司にせよ、取引先にせよ、意思疎通をきちんとしていかなければ、良い仕事が出来ないよ。ということ。
このブログをご覧になっている方々には、常識とも言えることだろう。
うちの会社でも、この三つは社員に徹底している。たった4人の会社でも、いや、だからこそ、全員で問題の共有化を図ることは大事なのだ。
先日、とある大手出版社のコミック雑誌編集部から、某小説作品をコミック化したいという申し出があった。作家さんに連絡を取り、OKをもらって編集部に返事を返したところ、「漫画家さんと話したところ、昨日お伝えしたその作品ではなく、別の作品をコミック化したいという話になったんですよ」とコトモナゲに言われた。
ま、これも仕事のうち。と、改めて作家さん、出版社、その他の関係者に連絡をとり、OKをもらって伝えたのだけど、編集部からは何の返事もない。
【9月13日追記】このあと、二ヶ月間、放置された。【追記終わり】
こういう話は、途中で立ち消えとなることも多いので、「あー、やっぱりダメだったのかな」とは思ったのだけど、それにしても何らかの回答はあってしかるべき、と、なんどか連絡をくれるように頼んだのだけど、やっぱり音沙汰なし。
こうなると、こちらも「こんな常識のない編集部とは、付き合わなくて正解だったなあ」と思ってしまう。
この印象が間違っていないことは、後日、この件とは別の話でも裏付けられたんだけどね。
で、昨日になって急に、その編集者から電話があった。
なんでも「ネームが仕上がったので連絡した」ということ。
うーん、これはどうしたもんかねえ。あまりの常識のなさに、さすがの私も電話で文句を言ってしまったのだけど、当の相手は、こちらが何を怒っているのかが理解できない様子。
先方には先方なりの「理由」があるのかも知れないけど、こちらは作家さんから大切な小説をお預かりしている立場。途中経過にせよ、きちんと連絡してくれないと仕事にならないし、だいいち、(彼と同じ会社の)ほかのコミック雑誌編集部の方は、ちゃんと連絡をくれるのだ。
ということは、組織によるOJT体制の不備、というよりは、編集者個人の資質ということなんだろうなあ。
いや、本来、こんな愚痴めいたことを書くのは気が引けるのだけど、ひょっとすると、彼はネームが無駄になった漫画家さんに「作家さんの事務所が難癖を付けてきまして……」などと言っている可能性もあるなあ。と思い、個人や会社を特定できない範囲で公表してみたわけ。
本当は、こんなことでエネルギーを使いたくないんだけどね〜。
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