この三連休は、神奈川県綾瀬市でおこなれている「CONTACT JAPAN7」というイベントに参加しています。
これは、「まったく進化形態の違う異星人同士が接触をした際、どのような手段でお互いの意思疎通を図り、相互の目的を達するか」ということを考える知的ゲーム。(と言ってよいのかな)
かのヴェルヌの名作『宇宙戦争』から、珍映画「マーズ・アタック」、人気テレビシリーズ「Xファイル」、はては「うる星やつら」に至まで、地球に異星人がやってくる、というシチュエーションを描いた小説、映像作品は多いのですが、これを大まじめに考えてしまおうというのが、ファースト・コンタクト・シミュレーション(FCS)です。
これ、もともとはアメリカ発祥のものなのですが、あちらでは学校教材のひとつとしても活用されているようです。考えてみれば、私たち地球人のあいだでも、外見や言語、慣習、習俗などの違いによって、双方が望まないかたちでの「不幸な」文明接触が行われた歴史が、そこかしこに残っています。そのような「悪しき先入観」に捕らわれることのない思考回路を身につけるのに、「異星人」というのは良い対象なのかも知れません。
当初は「地球人と異星人の文明接触」というかたちをシミュレーションしていた私たちですが、回を重ねるに連れてさまざまなカタチでの文明接触を考えるようになりました。第七回の今回は、いくつかの異星人を考えることが主体となっています。
その生物が進化した惑星の諸条件や生物の基本的な情報こそ、スタッフ側が事前に用意しておきますが、この基本情報に肉付けしていくのは、参加者同士の討論によって行われるわけです。
たとえば「この惑星は寒冷帯が多いことから、生物の体表は毛で覆われているのではないか」とか、「惑星の公転周期から考えると、生物の繁殖適期は限定されることになり、それ以外の時期はエネルギー消費を抑えるため、冬眠などの能力を身につけたのではないか」とか。果ては、社会の成り立ちや、その生物固有の倫理観なども討論の対象になるわけです。
いわば、ひとつの生物の発達史を原始時代から科学文明の時代まで、一気に考えるようなものですから、正直、ヘトヘトになるくらい疲れます。でも、これが楽しいのですよねえ。
今回、参加した方のなかには、日本の第一線で活躍されている天文学者の方や、大学で生物学を教えている先生などもいるわけですが、そのような方たちも、一人の参加者として討論を楽しんでおられます。これって、けっこう凄いことだと思うんですよ。
とはいえ、いわば「天地創造」を二日でやっちゃうようなイベントですので、スタッフの準備は並大抵のものではありません。
ですから、この前「CONTACT JAPAN」が行われたのは、2004年。その後、二年間をかけて準備していたことになります。
二泊三日、みっちりと科学論議に身を置くというのは、当然、それなりのエネルギーも必要としますし、金銭的にも決して安くはありません(今回の参加費は28000円)。でも、これは体験してみなければ判らない楽しさが詰まっています。
いちど参加した人のほとんどが、「是非、次も参加したいです」と言ってくれることをみると、皆さんもそう感じていらっしゃるのでしょう。
「なんだか面白そうだな」と思ったひとは、ぜひ、次回は参加してみてはいかがでしょう。
「CONTACT JAPAN」の主催団体のwebページはこちら。一読されると、その楽しさが(少しだけですけど)判ると思います。はい。
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