先日、編集さんとの打ち合わせに某出版社に出向いたところ、入社試験の日だったらしく、いつもの打ち合わせスペースが面接会場となっておりました。で、階下の大会議室を、編集さん2人、私に作家さんの計4名で使うという、非常に「贅沢な経験」をさせてもらったわけなんですが、話の本題はそれではなくて。
その際、編集さんに昨今の入社志望の方の傾向を伺いました。自分なりに「なるほどなあ」と思うところもありましたし、「そんなコトがあるんですか」と驚くこともありました。15年以上前の、自らの就職活動を振り返って「ま、そういう感じだよね」と笑うことも。
ただ、ひとつ気になるのが、いまの志望者のなかに、「この会社に入ったら、私は△△方面の仕事をしたいと思います。それ以外は興味ありません」と言い切ってしまう人がいる、ということ。これはもったいないなあ。
私は会社を決めたとき「この会社で××をやるんだ!」という意識はなかったですよ。いや、私だって入社試験に先立っては、その会社がどんな仕事をしているのかは詳細に調査しましたよ。そのうえで、自分なりに結論を出したのが「ぜんぶ面白そう」だったということです。
そもそも、学校で専門に勉強してきた分野があったとしても、それはあくまでも「学校の勉強」レベルなわけです。その分野の本を作るというのであれば、当然、その分野の専門家の先生たちと話をして本作りをしなければなりません。であれば、学生時代にやった勉強などとはレベルの違う話になるでしょう。
もちろん、もともと興味のある分野であれば、それだけ楽しんで仕事が出来る→良い仕事が出来るという考え方もありましょうが、反対に、自分がいままで知らなかった分野の仕事をすることで、自分の知識の幅を広げる楽しみというのもあるのではないでしょうか。
若い時代にいろんな仕事をやってみて、知識や人脈を広げることが、結果的には良い人生につながるのではないかな、などと思います。
今年の4月に入社した人も、そろそろ仕事に慣れてきた時期だと思います。なかには「こんなハズじゃなかった」と後悔している人もいるでしょう。そんなときは、ちょっと深呼吸して「これも経験」と呟いてみるのもいいと思います。
人生には、めったに「無駄な経験」なんてものはないと思います。いまの経験を生かすも殺すも自分しだい。
お互いに頑張りましょう。
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