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これは怖い。

 中国製毒入り餃子の事件には驚きました。
 私も餃子は大好きで、よく食べています。家で食べる場合には、皮以外は手作りですので、まだ安心なのですが、外食先では何処で作られたモノなのか、判らないのが現状です。
 もちろん、街の餃子屋さんのほとんどは正直な商売をしていると思いますが、こういうニュースがあると、餃子そのものへのイメージ低下は避けられないでしょう。

 ただ、今回の事件では、よく判らないことがあります。
 そもそも、なぜ食べ物に有機リン系の猛毒が混入していたか、ということも大きな謎なのですが、それ以上に不思議なのが、行政の対応です。
 1月6日に兵庫県高砂市で、当該の冷凍餃子を食べたために激しい中毒症状を起こしたという事件。新聞の報道が真実だとすれば、兵庫県は冷凍餃子の発売元であるJTフーズの本社がある東京都に、このことを伝えたとのことです。
 それなのに、東京都の担当者は、製品の問題とは断定できないことにくわえ、家庭内で毒物混入事件だった場合、人権上の問題も生じる恐れがある、として、一切、公表しなかったというのです。
 これは話の順序が逆ではないでしょうか。

 生命に関わるほどの毒物混入事件で、しかも毒物の混入経路が不明となれば、国内に流通している同じ商品でも同様の事例が発生する、と考えるのが普通の考えだと思います。「捜査を優先させた」と言い訳していますが、捜査と同時に、メディアを通じての注意喚起をしなければならないのは当然です。
 もし、この段階でメディアに公表されていたら、続く被害は出なかったことでしょう。
 このあたり、行政には、このような判断に至った経緯の分析、担当者の処分も含め、猛省を促したいところです。

 また、そもそもの原因となった中国の食品加工会社についてですが、これは「氷山の一角」と考えるべきでしょう。
 このような「毒入り食品」を平気で製造し、販売しているというのは、国際的な常識からみても明らかにおかしいです。
 今からでは、いろいろと難しい問題があると思いますが、この夏に行われるオリンピックに、日本の選手を送り出すのはヤメにしたら、と真剣に思ってしまいます。
 生命に、もしものことがあったら、それこそ悔やんでも悔やみきれないと思うんですよねえ。

 ただ、日本の食糧自給率はカロリーベースで40パーセントを下回っています。
 当然、外国から食料を輸入しなければなりません。今回の事件の背景には、このような日本の現状も含め、いろいろと難しい要素があるのでしょう。

 幸い、一時は重篤だった女の子も、回復に向かっているようです。
 まさに不幸中の幸いでした。

 これからは、今まで以上に自分の口に入れるものについて、きちんと考えなければならないなあ、と思った事件でした。

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さぞや強烈な印象だったんでしょうねえ。

 田中さんが、子どもの頃に観て「トラウマになった」と言う映画、「マタンゴ」。
 どうやら、キノコを食べられなくなったのも、この映画を観たからなんだそうです。
 実はこの映画、田中さんの年代には、かなり影響を与えているようす。吉村達也さんが、角川ホラー文庫で『マタンゴ 最後の逆襲』という小説を書いていましたが、たしか吉村さんと田中さんは、同い年のはず。やっぱりねえ。
 田中さんによれば、熊本では小学校で「マタンゴ」の割引券を配ったとのこと(!)。
 当時の熊本市教育委員会は、どんな映画だか知っていて配ったのかなぁ(笑)。

 ちなみに、同時上映は「ハワイの若大将」だったとのこと。
 まぁ、これも小学生が喜んで観る映画とは言えないですね。

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今日の夜、『アルスラーン戦記』のアニメが放映されます。

 今日(1月24日)の夜9時から、NHKのBS2で『アルスラーン戦記』の劇場アニメが放映されるそうです。……って、私もさきほど、事務所にいらっしゃった田中さん本人から聞いて知りました。田中さんも、たまたま新聞をみて気がついたんだそうです。

 いやぁ、こういう情報って、事務所には来ないものなんですね(苦笑)。
 今後は気をつけておきましょう。

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京都に行ってきました。

 先日、京都まで日帰り出張がありました。
 普段だったら、さっと行って、さっと帰ってくるのですが、ちょっと仕事の手も空いているし、ということで、少しだけ早めに家を出ました。
 前々から、伏見稲荷の千本鳥居を見たかったのですが、いままで機会がなかったもので。

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 京都駅からローカル線に乗り換えて、ほんの数駅で伏見稲荷の最寄り駅に到着します。
 そこから徒歩数分で大鳥居の下に出ます。なんだ、こんなに近かったんだ、という感じでした。

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 本殿に参拝し、今年一年の商売繁盛をお願いし、お札をいただきます。
 絵馬も売っていましたが、狐面の細長い「絵馬」で、ふつうの絵馬とはずいぶん趣が違いました。

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 その後、いよいよ千本鳥居に。
 当日の天気予報は、午後から雨ということで、事実、仕事を終えて出てきたときにはけっこうまとまった雨が降っていましたが、この鳥居の群れの下にいれば、少々の雨では濡れないのではないか、と思えてきました(笑)。

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 千本鳥居を出たところにあったのが、「おもかる石」。
 これは、心の中で願い事をとなえたあと、灯籠のてっぺんの石を持ち上げてみて、思ったよりも軽かったら願いはかなう。というもの。
 私も試してみましたが、嬉しいことに軽かったです。もっとも、一般成人男性であれば、ほとんどの人が「軽い」と思うでしょうね。

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 参拝を終えた後、参道の食堂に入りました。
 ここ伏見稲荷の名物が、すずめの焼き鳥。
 なんでも、五穀豊穣の神様である伏見稲荷では、すずめは稲を食い荒らす害鳥。そのため、焼き鳥にして食ってもかまわないんだそうです。
 私もはじめての体験だったのですが、まあ、なんというか、味というよりは食感、歯ごたえを楽しむものという感じでした。
 細い骨をぽきぽきとかみ砕きながら食べる焼き鳥、というのは、なかなか面白いものでしたが。

 一通りのことを済ませてから、京都に戻り、本題である打ち合わせに臨みました。
 存分に気分転換が出来たせいか、それとも、お稲荷さまの御利益か、打ち合わせもとても身のあるものになり、今後の仕事の行くさきもはっきり見えてきました。
 いやはや、ありがたい、ありがたい。

 今年も良い年でありますように。

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ついに『クリムゾン・バーニング』シリーズ、完結です!

Mikihara

 三木原さんの架空歴史小説『クリムゾン・バーニング』シリーズが、ついに完結します。
 掉尾を飾る最終巻『合衆国解放 3』では、伊達と田宮の戦いに、ついに終止符が打たれます。
 二人の出生にまつわる大きな秘密とは。そして、世界を導く新しい秩序とは。

 ややもすると、暗く哀しい話になるテーマを、読後感も爽やかなエンターテインメント小説に仕上げた三木原さんの才能。存分にお楽しみください。

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私たちは、1月17日を忘れません。

 今年も、この日がきました。

 1995年1月17日午前5時46分52秒、淡路島北部を震源とした大地震が発生し、淡路島はもとより、神戸を中心とした都市圏に大きな被害を与えました。

 当時、私は製粉プラントのエンジニアをしていたのですが、毎朝6時には自宅を出る生活をしていたため、震災のニュースを知ったのは出社後。社員食堂のテレビを食い入るように見ていた記憶があります。
 発生から1週間後、はやくも取引先の製粉工場から復旧工事の発注があり、現場調査の第一陣として神戸入りしたのですが、想像を絶する被害に目を疑う思いでした。その後、半年ちかく東京と神戸を往復する生活を送り、製粉工場の復旧が完了したのは、そろそろ秋風が立つ頃だったと記憶しています。
 ただ、そのときでも市街地の復旧はまだまだ緒に就いたばかりで、復興の槌音が聞こえる、というよりは、ようやく廃墟を片付け終えたという感じでした。
 実際、その後、しばしば神戸を訪れる機会がありましたが、ずいぶん長い間、屋根に張られたブルーシートを見た気がします。

 大災害の前には、人間はまったく無力とも言えますが、そのための備えをすることは出来ましょう。いざというときに困らないよう、物心ともに準備をしておくことは重要だと思います。
 また、一人一人の人間は無力でも、力を合わせれば大きな力になることも確かです。
 神戸の震災では、大勢の方々が義援金を送り、被災者の皆さんを励まされました。私も神戸の街で実際に目にしておりますが、ボランティアの方々の活動には、本当に頭が下がる思いでした。
 こういうことを忘れずに、何かあったときに自分たちが何を出来るか考えておく、というのは、人として大事なことだと思います。

 阪神淡路大震災から、今日で13年目。
 その後も、日本各地で大きな地震が繰り返し起こっています。先日も新潟で大きな地震が発生しました。
 明日は我が身と思い準備を怠らないこと、そして、いまなお不自由な生活を送っている新潟をはじめとする被災者の方に、手を差しのべること。
 これこそが、阪神淡路大震災で亡くなった6434名の方々へ、私たちが出来る一番の追悼ではないか、と考えるのです。

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K文社さんが偵察に……

 今日は、田中さんのところにK文社の編集さんがいらっしゃいました。
 新年のご挨拶、ということでしたが、『アルスラーン戦記』の進捗状況のチェック、という感じでした(笑)。
 田中さんは、「いま書いている某雑誌向けの短篇を書き上げたら、すぐに取りかかるからね」と言っていました。
 でも、短篇執筆の合間に『アルスラーン戦記』の原稿を書いているのを私は知っているのです。さて、今度はどういう話になるんでしょうねぇ。

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赤城さん、新作脱稿!

 第1巻の刊行以来、いままでの赤城作品ファンのみならず、意外な(笑)ほど広い読者層を獲得し、いまや「もっとも勢いのある赤城作品」とまで言われている、『オフィス・ファントム』シリーズですが、本日、赤城さんから「新作を脱稿したよ~」との連絡が入りました。
 すぐにメールボックスを確認したところ、例の「あとがき」も含め、たしかに完成稿が届いておりました。

 いやぁ、これは楽しみです。
 作家のマネージメントには、いろいろと大変なことも多いのですが、出来たてほやほやの原稿を一番最初に読むことが出来るというのは、それを補ってあまりある喜びです。
 皆さんには申し訳ございませんが、一足お先に読ませていただきます~(笑)。

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『麝香姫の恋文』、文庫化です!

Jakou

 赤城さんの『麝香姫の恋文』が、講談社文庫に入りました。
 カバーイラスト&口絵は、ノベルス版とおなじく波津彬子さんが描いてくださいました。妖艶なまでに美しい「麝香姫」の姿をお楽しみください。

 また、解説は『スケバン刑事』『怪盗アマリリス』でおなじみの和田慎二さんにお願いしました。これがまた、なんとも素晴らしい解説でして、私も原稿を頂いた時に一人で大笑いしておりました。

 ノベルス版で読み逃していたという方、是非ともお読み下さいませ。
 (和田さんの解説だけでも……)なんて言ったら、怒られちゃうんだろうな(笑)。


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ショックなニュース

 修理・点検に行っていたノートパソコンが帰ってきました。
 内蔵のハードディスクに異常が見つかったということで、交換になってしまいました。保証期間内ということで、無料だったのはよかったのですが、中に入っていたデータはすべてなくなってしまいました。
 不幸中の幸い、というと変ですが、昨年末にWindowsを再インストールして以来、データはすべてバックアップをとるようにしていたので、大きな問題はありませんでしたが、アプリケーションをすべてもういちどインストールしなければならないのは面倒ですね。

 そんななか、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
 個性的なタイトルをつけた本の出版で知られる、草思社が会社再生法の申請を行い、事実上倒産したということです。
 雑誌も文庫もないため、出版不況の波をまともにかぶった、というのが会社側のコメントでしたが、本当に残念なことです。
 私も、最近はなかなかハードカバーにまで手を伸ばすことが出来なかったのですが、本好きのつとめとして、やはり気に入った本は自腹を切って買わなければいけないなあ。と思いました。

 逆に、業界に連なるものとしては、少しでも読者の皆さんに喜んでいただける本。長く手元に置いておきたくなるような本。買ってよかった、と思っていただける本を作るべく、自分たちの出来る限りのことをさせていただこうと思います。
 今後ともよろしくお願いします。

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いよいよ……

 1月4日から、日ごろ使っているノートパソコンが修理&点検のたびに出てしまいました。
 一応、セカンド・マシンは用意していたのですが、やはりいつも使っているマシンでないと調子が出ません。そういうことで、ここ数日、更新が滞ってしまいました。
 いまは、会社のパソコンで更新しています。

 私の会社は、4日が仕事始めだったのですが、さすがにその日は出版社もお休みのところが多いようで、静かな一日でした。
 きっと、今日あたりから本格的な仕事が始まるのでしょう。
 今年は、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』のアニメ化をはじめ、さまざまな新しい企画が動く年となります。
 そうそう、年末のコミケで出した『とある作家秘書の日常』をご覧になった方は、すでにご存じなのですが、『タイタニア』のコミック化も決定しています。まだ開始時期は確定していないのですが、講談社の「月刊 少年シリウス」誌での連載となります。
 この話、ながらく本篇の続きが書かれていないのですが、田中さんもコミック化には興味があるようす。先日も、「こんなこと私が言えることじゃないけど、コミック化されたものを見て刺激を受けたら、続きを書きたくなるかも」と言っておりました。描き手の方には、是非とも頑張って欲しいところです。

 『アルスラーン戦記』では、いよいよ蛇王が再臨します。
 田中さんいわく、「いよいよ十六翼将が集うんだ」とのこと。集ったあとは?と聞くと、「うーん……あのね」と。
 いいです。そこから先は聞きたくありません(笑)。

 読者の皆様には、今年も田中さんをはじめ、弊社所属の作家さんたちを、よろしくお願い申し上げます。

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今年、最初に読み終えた本

 新しい年。皆さんはどのようなお正月を過ごされておいででしょう。
 私は、ゆっくり本を読んでいます。

 さきほど読み終えたのは、『テメレア戦記 ~気高き王家の翼』です。
 ナポレオン時代の英仏戦争の史実に、ドラゴンを加えた非常によく出来たファンタジー小説です。
 若干、訳文に癖がありますが、とても魅力のある小説だと思います。
 読み終えてしまうのがもったいない、と思える本は久しぶり。
 新年最初の読了本が、こんな良質な本だったというのは、なかなか幸先が良い感じがします。

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新年、あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。
 旧年は、大変にお世話になりました。
 本年もよろしくお願いします。

 さて。
 一年の計は元旦にあり、と申します。元旦といえば、元日の朝を意味しますので、時間にすれば、たかだか数時間。
 そんな短い時間で、今年一年が決まってしまうはずもないのですが、せっかく新しい年を迎えて、心も気分も改まったところです。今年一年をどのように過ごすか、目標を立てて見るのも良いのではないでしょうか。

 先日、このブログの読者の方から、「作家になるには、どうすれば良いのでしょう」というメールをいただきました。
 実は、この答えはひとつしかありません。それは、「小説を書き上げること」です。
 小説を書き上げなければ、新人賞に応募するわけにはいきませんし、もちろん、出版社に持ち込むことなど出来ません。
 質問のメールをくださった方には、非常に愛想のないお返事になってしまったのですが、本当にこれにつきるのです。

 よく、田中さんとも話すのですが、いま、日本中には漠然と「作家になりたいな」と思っている人は100万人近くいるでしょう。そのなかで、実際に作品を書き上げてみる人は、おそらく1万人いるかどうかだと思います。いきなり100分の1になるのです。
 その後、1万人のなかで淘汰され、デビュー出来るのは毎年100人くらい?すべてのジャンルを見れば、もう少し多いかもしれませんが、1000人には届かないでしょう。
 そして、10年後も作家として作品を発表しつづけていられるひとは、さきほどの100人のなかで10人いれば良いほうでしょう。

 このように、非常に厳しい道のりが控えているわけですが、それでも最初の難関である、「小説を書き上げること」というのは、自分の努力でなんとかなるものです。そこの1パーセントの狭き門をくぐることで、まずは「自分は本当に小説を書けるのか」「小説を書くことが好きなのか」を確認してみることが良いと思います。

 自分が小説を書けるかどうかは、書いてみなければ判りません。非常に意地悪な言い方になりますが、いつまでも書かないでいれば、少なくとも自分の中だけでは「自分はいつかすばらしい小説を書いて華々しいデビューを飾るのだ」という夢を壊さずにいられます。
 でも、それではつまらないなあ、という人。
 今年こそ、小説を書き上げてみてはどうでしょう。
 新人賞で、あなたのお名前を見ることが来る日を、楽しみにしています。

 今年も良い年でありますように。

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