B-58ハスラーの後部機関砲の話。
東西冷戦時代を描いた映画は数多くありますが、シドニー・ルメット監督の『未知への飛行』は、偶発核戦争の危機をリアルに語った良作だと思います。同じ題材を扱った、キューブリック監督の『博士の異常な愛情』が、なんともキューブリックらしいというか、どこまで本気で観て良いのか考えてしまうのに比べ、こちらは主演のヘンリー・フォンダの魅力的な演技も相まって、非常にスリリングでリアルな描写がなされています。
未見の方がいらっしゃいましたら、是非、ごらんになってください。
この映画のキモとなるシーンで登場するのが、当時の最新鋭爆撃機B-58ハスラー。
胴体下に備えた紡錘形の落下式爆弾槽に、大型の核兵器を格納して、マッハ2以上の超音速でソビエト(当時)を目指すという凄い爆撃機です。
この飛行機も、ライトパターソンの空軍博物館に展示してありました。
これがそうです。
デルタ翼の大型機というのは、それだけでかっこいいと思ってしまいます。
後ろに回ってみると、なにか機尾に付いているのに気付きました。
これは、20ミリの機関砲、いわゆるバルカン砲ですね。
仮想敵であったソビエトが、当時運用していた戦闘機では、最高速度を出した本機には追いつけないため、この位置に自衛用の機関砲を据えれば効果的だったわけでしょう。
やはり、こういうものは実物を見ないとよく判りませんね。
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