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あまりに強引なgoogle社。

 googleという検索サービスがあります。
 私も、よく利用しています。
 最近では「ストリートビュー」というサービスがプライバシーを侵害しているのでは、などと騒がれ、話題になりました。
 そのgoogleがアメリカで行っているサービスについて、新たな問題が起こりそうな気配です。

 そのサービスとは、電子的書籍データベース。これは、2004年の秋からgoogleが始めたもので、スタンフォード大学やハーバード大学などの大学図書館、ニューヨーク公立図書館などに収められた蔵書を、著作権者の許諾なしにスキャンし、電子的なデータベースを構築して、書籍の内容をパソコンで閲覧できるようにしているものです。
 アメリカの作家協会および主要出版社は、このサービスが著作権の侵害にあたるとして、訴訟を起こしていたのですが、昨年の10月28日に和解が成立しました。
 その和解内容が、実は日本の作家/出版社にも大きな影響を及ぼすことになるのです。

 まず、和解の対象ですが、2009年1月5日以前に出版された書籍のうち、アメリカ国内で著作権法上の権利を有するすべての著作者、出版社が対象となります。
 「なんだ、アメリカ国内での話か」と思うと、さにやらず。
 日本は著作権の国際条約である「ベルヌ条約」に加盟していますので、日本の作家はアメリカでも著作権を有しているのです。
 さらには、アメリカの図書館に収蔵されている日本の出版物は、けっこうな数にのぼると推察されています。その多くがすでにスキャンされていると思われます。
 googleによれば、電子化によって、絶版などによって読めなくなっている作品がふたたび読者の目に触れるというメリットがある、ということのようですが、日本の場合は、ハードカバーで絶版になった作品が、文庫化によってふたたび世に出ることが当たり前です。再販制度の有/無も含め、アメリカとは事情が違うと思うのですけどね。

 まあ、この和解によって、ほんの少額とはいえ著作者に対価が払われる可能性が出てきたことは、一定の評価をすべきなのかも知れませんが、そのやり方はいかにも強引な気がします。
 なによりも私が驚いたのは、この「和解」に参加するかどうか、これをgoogleは「2009年5月5日までに連絡してこない場合には、自動的に和解したと見なす」と言っていること。まあ、現実問題としてアメリカ国内のみならず世界各国に存在する著作権者全員に、ひとつひとつ意思確認をするのは困難を極める…というか、不可能だとは思うのですが。

 田中さんをはじめとする、私の会社でマネージメントしている作家さんについても、今年の5月までになんらかの対応を決めねばならないと思います。
 なんというか、よけいな仕事を増やしてくれるなよ。とぼやきたくもなります。

 この件については、さらに調査をして、またこのブログで書かせていただきます。

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「タイタニア」DVD&Blu-ray第2巻、いよいよ発売!

Tytania2

 NHK BS2で放映されています「タイタニア」ですが、DVD&Blu-rayの第2巻が発売となりました。今回収録されるのは第3話「英雄の条件」と、第4話「リラの決心」の2話となります。
 「タイタニア」の世界を彩るキャラクターも出そろい、いよいよ物語は動き出します。
 放映をご覧になっていた方も、そうでない方も、是非ご覧になってみてください。



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「蘭陵王」の進みぐあい。

 今朝、事務所に遊びに来た田中さん。

 執筆中の「蘭陵王」の進み具合について聞いてみたところ、「トータルでは遅れていないのだけど、進んでない」とのことでした。
 要するに、原稿用紙に書いた量は着々と増えているのだけど、それがうまく繋がっていないということらしいです。以前にも何度か書いたことがありますが、田中さんは原稿を書くのに、「まず書きたいところ、書けるところから書いていく」のですね。
 原稿用紙に数行書いて、「ここはだいたいこれくらいかな」と何行かあけて、また数行書いていく。数行あけたところは、あとで書いて繋げるのですが、これが最初に「これくらいかな」と思ってあけた行数と、ぴったり合うのだから不思議。
 これをワープロでやるのだったら、別に驚くことではないのかも知れませんが、手書き原稿でやられるのですから。

 「蘭陵王」も、そういう感じでどんどん「歯抜け」の原稿が積まれている様子。
 田中さん本人も、「パズルのピースだけがどんどん出来ている感じだね」と笑っていました。早く、このピースがぴたっと合う時が来て欲しいのですが。

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旧友に再会した気分です。

Command


 シミュレーションゲームって、ご存じですか。
 最近はパソコン・ゲームの一つの分野になっているようですが、私が中学生の頃は、六角形のマス目が描かれたゲーム盤の上に、厚紙で作られたコマを置いて遊ぶものでした。
 シミュレーション、というくらいですから、いろんなモノをシミュレートして遊ぶわけです。いちばん人気があったのは、戦争を題材にしたものだったのですが、それにしても、第二次世界大戦のあらゆる戦場にはじまり、第一次大戦、普仏戦争、クリミア戦争、バラ戦争、南北戦争などなど。時代も舞台もさまざまで、いろいろと勉強にもなりました。また、変わったところでは日本の戦国時代を再現して国盗り合戦をしてみたり。一時期は、アニメ作品を題材にとったシミュレーションゲームが出ていたこともありました。

 ただ、こういうアナログなゲームですから、なにしろ手間と時間が掛かります。さらには、一緒に遊んでくれる相手がいないと遊べません。結局、パソコンでのシミュレーションゲームに押されるかたちで、急速に勢いが衰えてしまい、いつしか私もプレイしなくなってしまいました。

 でも、まだまだファンは残っていたようです。
 先日、赤城さんが戦史研究家としての別名義「大木毅」で原稿を書かせていただいた、この「コマンド・マガジン」は、いまや日本で唯一とも言えるシミュレーションゲームの専門誌です。(昔は「タクテクス」とかもありましたね)

 昨日、見本が届いたので一足早く読ませていただいたのですが、いやぁ、内容が濃い!
 昔、シミュレーションゲームをプレイしたことがある、という人であれば、涙を流して喜ぶこと請け合い。
 今にして思うと、紙の盤に紙のコマ。当たった/外れたの判定もサイコロしだい、という、ちょっと見ると古くさい感じのゲームですが、その可能性はまだまだ大きいのではないかな、と思いますわ。
 ご興味のある方は、是非、手にとってご覧くださいな。

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赤城さんの新連載、いよいよ開幕!

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 2月22日に発売された、祥伝社「小説 NON」3月号より、赤城さんの新連載「暁の海に聞け」がスタートしました。
 作家になる(なってしまう?)前は、気鋭のドイツ現代史研究家として、周囲からの期待を集めていた赤城さん。その時に得た歴史知識や人脈、また、ドイツ本国から大量に持ち帰った一次資料をもとに、第二次大戦劈頭の緊迫した国際情勢を描く意欲作です。
 どうぞご期待ください!


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本当によく似ています(笑)。

 田中さんが、第3回「幻影城」でデビューしてから、昨年の1月で30年が経ちました。
 9月には、軽井沢で親しい編集さん、作家さんをお招きして、御礼の会を開かさせていただきました。
 そのときにも、各社さんからいろいろとお祝いを頂戴してしまったのですが。

 先日、やはり田中さんと一緒に仕事をしてくださっている編集さんが、お祝いの品を持ってきて下さいました。

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 それがコレです。
 似顔絵ならぬ、似顔人形(笑)。
 ちょっと血色が良すぎる感じがしますが、なんともよく似ています。手にはペンと原稿用紙の束を持っているところも、手が込んでいます。

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 田中さんも、「分身」を目の前にしてちょっと照れくさい様子。
 「コレが僕の代わりに原稿を書いてくれればいいのになあ」などと、勝手なことを言っておりました。

 本人の弁によれば、あっという間の30年だったそうです。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。

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横山信義、新刊です!

Mariana

 横山さんの「鋼鉄の海嘯」シリーズ。
 第6作目となる『マリアナ攻防戦』が、ついに発売になります。

 マリアナが落ちれば、日本本土が敵爆撃機に蹂躙されることになる……。
 アメリカの新鋭超大型爆撃機B29の情報を得た日本は、マリアナに兵力を集中すべく、激戦の果てに守り抜いたトラック環礁の放棄を決断。マリアナ諸島近海に布陣し、死守に徹する戦術を選ぶ。
 一方、欧州情勢の急変により、対日戦の決着を急ぐ米軍は、空前の渡洋進行作戦を発動。圧倒的物量で日本軍をねじ伏せ、ついにサイパン島への上陸を果たした。
 押し寄せるM4中戦車。精鋭「呂式戦車」が迎え撃つ!
 密林を揺るがす死闘の決着は!?

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澤見彰の最新作『雲霞竜』、いよいよ刊行!

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 澤見さんの奥羽草子三部作の完結篇『雲霞竜』が出来上がりました。
 今日あたりには書店さんに並んでいるハズ。

 北へ向かう、浪人・平馬が見つけた意外な人物。それは、かつて凶刃に倒れたはずの恩人だった。さらに道を急ぐ平馬は、何ものかに追われる子ども連れの娘と出会う。二人を襲う、怪しき鳥と、それに導かれた蠢く闇。
 想像を絶する恐怖と、感動にあふれるラストシーン。
 「奥羽草子」シリーズ、ついに完結!

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ある光景

 うちの会社の近くにある、中野ブロードウェイ。
 建設された当初は、商業施設を備えた高級マンションとして一世を風靡したようです。すでに鬼籍に入られましたが、青島元東京都知事も入居していたはず。
 いまでは、「まんだらけ」を筆頭に、いわゆるオタクショップが軒を連ね、国内でも有数のサブ・カルチャーの発信地として有名になっているようです。
 海外からのお客さんも多いようで、中野駅とブロードウェイを結ぶアーケード街には、「まんだらけ」の紙袋を下げた外国の方をよく見かけます。

 そのブロードウェイ。昨日は年に1回の電気系統の点検日でした。
 ふだんは人で賑わう南北の通路も閉鎖されています。当然、お店はすべてお休みでした。

 そんななか、社員と一緒に駅に向かって歩いていますと、どうみてもアニメファンというカップルとすれ違ったそうです。残念ながら私は気付かなかったのですが、いかにも楽しげにブロードウェイに向かって歩いていったようで。

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 この看板の前で、ケンカにならなかったら良いのですけど。

 どんな場合もそうですが、定休日などは事前に確認してから行きたいものですね。

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資料探しも大事な仕事です。

 昨日の東京は、初夏を思わせる陽気となりました。
 寒いのが苦手な私にしてみれば、とても嬉しいことだったのですが、季節を前倒しにした天候は、気象災害に結びつくことが多いとも聞きました。なんでも、雪崩や融雪による災害が多くなるそうです。そう言われてしまうと、のんきに喜んでばかりはいられません。やはり、冬は寒く、夏は暑いほうが良いのでしょうね。

 三木原さんから、「新作に使用する資料が足りない」というメールが届きましたので、昨日は資料探しの旅へ。
 まずは神保町の古書店街に行ってみたのですが、なかなかコレといったものが見つかりません。
 さらには、いつもと同じような格好で行ったもので、外気温が上がるにつれて汗が流れてきます。こりゃたまらん、と、撤退を決意。
 いったん自宅に戻って着替えを済ませ、こんどは都立中央図書館に。

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 地下鉄日比谷線の広尾駅から徒歩数分のところにある、この図書館は都内でも有数の規模を誇ります。
 端末を叩いて、資料を見つけ出し、セルフコピーで複写を済ませて、任務完了。
 なんとなく、いかにも作家のマネジャーらしい仕事です(笑)。

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 都立中央図書館は、有栖川宮恩賜公園の敷地内にあるので、公園内を散策して帰ってきました。
 いきなりの陽気に、梅もあわてて花を開いたのでしょうか、とても良い香りが漂っておりました。

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田中さんとCLAMPさんの対談が掲載されます。

 先日行われた、田中さんとCLAMPさんの対談が、講談社の文庫情報誌「IN★POCKET」の2月号に掲載されることとなりました。
 対談のお題は「ミステリーを語る」。対談、と書いてしまいましたが、CLAMP側からは、大川さんと猫井さんが参加されましたので、正確には鼎談ですね。というか、当日、収録に立ち会った私から言わせてもらえれば、司会の細谷正充さんからも愉しいお話しをたくさんお聞きできたので、いっそ「座談会」と言いたい感じです。

Inpocket

 「IN★POCKET」は、定価200円。
 今日あたりから書店さんの店頭に並ぶと思われます。
 どうぞお手にとってご覧ください。

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電子書籍という「本」について

 先日、私の会社に、関西方面の大学生の方が会社見学にいらっしゃいました。
 東京の出版業界のピンからキリを見るツアーということでしたが、うちの会社は「キリ」代表ということだったのでしょうね(笑)。
 久しぶりに若い人たちとゆっくり話をすることが出来て、こちらとしては非常に刺激を受けたのですが、先方はどうだったのか、ちょっと疑問だったりします。たいして役に立つコトはお話しできませんでしたしねえ。

 そんな彼らとの雑談のなかで、電子書籍が話題にのぼりました。
 たしかに、一時期のケータイ小説ブームも手伝って、電子書籍という形式で物語を楽しむ人は増えたように思えますが、やはり紙を綴じた本という形式には根強い人気があるようす。私も、やはり紙の本に慣れ親しんでいることもあり、電子書籍にはあまり食指が延びません。
 ただ、若い人のなかには、紙の本へのコダワリが薄い人も増えている感じでした。
 この年代の人たちが第一線で活躍することになる数年後には、電子書籍はもっと普及しているのかも知れませんね。
 そうなったときには、「本」の流通にしても、いまとは違う形態となるのでしょうし、業界の地図も変わるのでしょう。楽しみ、といえば楽しみです。

 電子書籍を閲覧するための専用端末は、今までも幾つか出ているようですが、やはり苦戦しているようす。
 私にしてみれば、完全防水タイプの端末を出して欲しいものです。私はお風呂で本を読むのが好きなのですが、湿気でふにゃふにゃになってしまうんですよ。こういう用途には、防水タイプの閲覧端末と、電子書籍の組み合わせが最強だと思うんですけどね。
 どこか、出してくれませんかねえ。

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軽井沢に行ってきました。

 垣野内成美さんがコミック化してくださっている『薬師寺涼子の怪奇事件簿』ですが、「マガジンZ」の休刊に伴い、「アフタヌーン」誌に移籍することになりました。
 「アフタヌーン」では、『霧の訪問者』篇からのスタートとなります。どうぞよろしくお願いします。

 今日は、その『霧の訪問者』篇の舞台となった軽井沢に、コミック化の際の資料となる写真を撮りに行きました。垣野内さんの要望にくわえ、田中さんのアドバイスもあり、いろんなところを撮してきました。役に立つといいのですが。

 軽井沢は、すっかり冬景色。
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 昨年11月初旬に撮影した風景と、今日の朝の風景です。
 全然違いますね(笑)。

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「らいとすたっふ小説塾」のお知らせ

 私の会社で主宰している「らいとすたっふ小説塾」ですが、この春から全面的にリニューアルをはかり、再出発することになりました。
 いままでは、作品の執筆と平行して、現役作家さんや編集さんをお招きしてのスクーリングを行ってきたのですが、どうやら、このスクーリングに出席するだけで満足感を得てしまい、執筆まで至らない塾生さんが多いように思えます。たしかに、内容的には非常に実践的、かつ、高度なものなので、満足度が高いのも頷けるのですが、それで終わってしまっては「小説塾」に参加した意味が無くなってしまいます。

 そのため、この春から受け付ける小説塾では、作品の提出をした方のみ、スクーリングに参加できるようにしました。
 また、いままでは塾生の募集は年に1回だったのを、4月、7月、10月としました。塾生さんは、それぞれの入塾月から1年間、みっしり小説を書いてもらいます。
 ほかにも、さまざまな点を改善し、より実践的になった「らいとすたっふ小説塾」。
 ご興味のある方は、らいとすたっふのwebページをごらんくださいませ。
 

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今年もこの季節がやってまいりました。

 今年も、この季節がやってまいりました~。
 St.Valentine's day、正直、私にはあまり縁のないイベントなのですが(笑)、田中さんたちの秘書をやっていると、ファンの皆さんからお送りいただくチョコの仕分けをするので、モテる人の気持ちをちょっとだけ疑似体験できます。なんか自分で書いていて情けなくなってきた……(笑)。

 よくメールで質問されるのが、「××先生にあてて、バレンタインにチョコを送りたいのだけど、どこに送れば良いのでしょう」ということ。
 これは、それぞれの作品の出版社に送っていただくのが良いと思います。なかでも、講談社さんにお送りいただければ、より確実でしょう。
 あと、その際にはご自分のお名前とご連絡先をご記入くださいね。田中さんたちは、きちんとホワイトデーにお返しをお送りしているのですけど、ごくまれにご住所やお電話番号が書いてらっしゃらない方がおられまして。お書きいただいたお名前などの個人情報は、厳重に管理したうえ、ホワイトデーが過ぎたところで確実に破棄させていただいておりますので、ご安心ください。

 どうぞよろしくお願いします。

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追悼、泡坂妻夫先生。

 久しぶりの日記なのですが、悲しい話題になってしまいます。

 ミステリ作家で、奇術愛好家としても有名だった泡坂妻夫先生が、2月3日に急逝されました。
 昨日のお通夜に参列してきたのですが、祭壇に飾られた笑顔のお写真を拝見しても、まだなにか現実味がないというか、心のどこかで信じたくない自分がいるというか。
 ミステリ作家という以前に、エンターテインメント作家として、偉大な才能の持ち主でした。

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 昨年秋のパーティーでお会いしたときには、本当にお元気そうでしたのに。
 本当に残念です。

 心からご冥福をお祈りいたします。

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