民主党に政権交代して、いろんなことが起こりました。
いま話題なのは、例の「仕分け」というもの。
これ、本当に日本にとって良い結果を生むんでしょうか。
私は会社の経営をしてます。ニキビよりも簡単に潰れそうな小さな会社です。
でも、だからこそ収入と支出のバランスには気を遣っています。収入が厳しいな、と予想されたら支出を抑えてしのぐ。これは当然のことです。私企業ですから。
「10円の支出を抑えるということは、10円、稼いだことと同じなんだ」という言葉を会社経営の先輩からも教えてもらいました。なかなか厳しい世界です。
でも、私企業ならば当然のことです。収益を上げるのが目的なんですから。
いま、政府がやっていることは、この理屈を国の予算にも当てはめているのですよね。
でも、政府のやる事業というのは、果たして収益事業なんでしょうか。
収益を上げることの出来る事業は民間に任せ、収益こそ上がらないものの、国民の生活を豊かにすることにつながり、国としての将来を見据えたうえで必要だと判断される事業を行うのが、国の役割なんじゃないでしょうか。
「支出を抑えること」と「収益を上げること」が等価というのは、民間企業でのモノサシでしかないと思うのですけどね。
さらにいえば、「支出抑制」の際に考えるのが「当面の支出」でしかないように見えるのも問題です。ここで10円抑えたことで、将来100円損をするようなことがあったら、果たしてそれは本当に「支出を抑えた」ことになるんでしょうか。
今回の「仕分け」では、基礎的研究に関する予算が軒並み否定されてしまっています。日本は資源も乏しければ、土地も限られています。人材や技術でしか勝負できない国で、基礎的研究にお金を注ぎ込まないというのは、正直、自殺行為としか思えません。
少し前までは「技術立国」などと言っていた国が、あっという間に他国に追い抜かれてしまうんです。なんとも寂しい話です。
結局のところ、「無駄を省く」という、誰もが頷くような言葉のもとで、自分たちの足元を堀り崩しているような状況では、ますます状況は悪くなるでしょう。
しかも、その支出を抑制する目的が、単に自分たちがマニフェストで発表した公約を実行するための予算確保、というのですから情けない話です。
私も子どもを育てている身ですから、「子ども手当」とやらがあれば助かります。でも、そんなばらまきをするのであれば、その分の予算を、子どもたちの世代が安心して暮らせるような社会作りに使って欲しいと思います。
以前の自公政権でも同じようなことがありましたが、どうして政府のエライ人たちは、「お金を恵んでやれば、庶民は喜んで政権を支持する」なんて思うんでしょう。
いまの「普通の」日本人は、そんなに卑しくはありませんよ。
このままでは、本当にどうなってしまうのか。
正直、心配になってしまいます。
と、ふだんはアホな日記しか書いていない私ですが、久しぶりに心底呆れ果てたので。
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