インフルエンザについて、是非読んで欲しい本が出版されました。
薬学博士でSF作家の瀬名秀明さんが、ご実父でインフルエンザ・ウィルスの研究者として高名な鈴木康夫中部大学教授の監修のもと、最新のインフルエンザ・ウィルスについての研究成果を紹介し、判りやすく解説した本を上梓されました。
新型インフルエンザの話題を耳にしない日はない、と言えるほど、人口に膾炙した感のある昨今ですが、はたして正確な知識を身につけている人はどれほどいるのでしょうか。
「手洗い、うがいを徹底する」というのも一つの有効な対策ですが、インフルエンザ・ウィルスに対する正しい知識を得るというのも、それに劣らぬほど重要なことだと思います。
ウィルスの研究者、医療関係者、数理統計学者、ジャーナリスト、その分野の専門家30名以上にインタビューを行い、インフルエンザ・ウィルスという「目に見えない強敵」の姿をあぶり出していく。その過程には、良質の小説を読み進むに似た興奮があります。
ただ、ひとつ異なるのは、これは架空の世界の話ではなく、私たちが日々暮らす現実だということ。
総ページ数500頁を超える、読み応えのある新書ですが、それだけに内容は深いものがあります。
付け加えれば、この本の印税は、一部が取材費に充当されたあとは、すべて慈善活動に寄付されるとのことです。
知的欲求を満たすだけでなく、社会的貢献にも寄与できる本書を、ぜひ皆さんにも読んでいただければと思い、紹介させていただきました。
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