電子書籍が内包する問題点のひとつ、かな?
先日より電子書籍について、自分なりに勉強をしているのですが、なかなか難しい問題ですね。考えをまとめるのには、もうすこし時間が掛かりそうです。
ただ、AmazonのKindleにせよ、AppleのiTunesStoreにせよ、ネットでの取り引きになるわけですから、全世界にむけて発信することになります。
これはある意味では素晴らしいことなのですが、ある意味では恐いことです。文化的背景の違いで、同じ表現を見ても受け取る印象は異なるわけですから。
今日、ご紹介するのは、講談社のコミックのタイトルが、iTunes Storeで配信拒否になったという内容の記事。
理由は、「主人公が疲れを癒す目的でマッサージを受けているとき、伸びをしたところ、誤って胸が露出したシーン」があったから、とのこと。
日ごろ、日本の青年マンガを見慣れている私などからしてみたら、「おいおい、それの何処がNGなの?」と言いたいのですけど、Apple社の基準からしてみたらNGなんですね。
いままで(少なくとも表面上は)なんの問題もなく流通していたマンガが、電子書籍として世界の市場に載ったとたんに、表現の問題でNGを食らうというのは、私としてはなかなかショックな話でした。
「銀河英雄伝説」OVAをiPhoneで配信するという話も進んでいるようですが、実際に「銀河英雄伝説」を見てみると、けっこう流血シーンもありますよねえ。
大丈夫なんでしょうか。ちょっと心配です。
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コメント
銀英伝には確か、露出した内臓を体内に戻そうとする兵士の姿も描写されてましたね。
何話だったか失念してしまいましたが、あれは問題視されそうな気がします(´ω`)
投稿: 阿稀 | 2010年5月 7日 18時13分
そうなんですよ。
流血シーンだけでもダメだとすれば、あれは絶対ダメでしょうからねえ。
私個人としては、アニメや漫画は日本国内だけで楽しんでいれば良いと思い始めてます。
もちろん、海外で高い評価を得ているアニメや漫画もありますし、それはそれで凄いなあ、と素直に感嘆しておりますが、だからといって「こんなことを書いてしまっては、海外に売るわけにいかなくなる。修正!」というのは、かなり本末転倒かと。
いいじゃないですか、日本国内でササヤカに楽しんでいれば。
そう思いません?
投稿: 安達裕章 | 2010年5月 7日 18時23分
余りに過剰な描写はどうかと思いますが、引用なさってた記事にあった「疫病による出血もダメ」はやり過ぎかと思いますねぇ…。
確かに最初から海外にも売り出す心算で創ったモノならまだしも、そうじゃない作品の方が圧倒的多数ですし、あちらの体質に合わないからとリテイクした揚句面白みに欠けてしまっては意味がありませんからねぇ…
それならいっそ海外に売り込まない方がいいと云う思いもありますが、そういった描写一つで佳作がきちんとした評価を受けることなく世に埋もれてしまうのも勿体ない気もしますね。
投稿: 阿稀 | 2010年5月 7日 22時19分
これは私の勝手な想像でしかないのですが、もともと米国では「アニメや漫画は子どもを対象にしたメディア」という先入観というか、大前提があったのではないでしょうか。
そのため、アニメや漫画には過剰とも思える規制が求められてきたのではないか、と思うのです。
そんななかに、オトナの鑑賞に充分耐えうる日本のアニメや漫画が出てきちゃったので、こういうちぐはぐなことが起こるのではないかと考えます。
投稿: 安達裕章 | 2010年5月 8日 00時27分