いままでの戦史研究書とはひと味違います。
第二次大戦の史実を下敷きにしつつも、「もし、この戦いがこう進んでいたら……」と考えた小説を「架空戦記」と言います。
うちの会社でも、横山信義さん、三木原慧一さんが書き手として数々の作品を発表しています。
史実を研究する方のなかには、いわゆる「イロモノ」として軽侮する向きもあると聞きますし、それはそれで仕方のないものだと思うのですが、あくまでもエンターテインメント小説として楽しむのであれば、そんなに目くじらを立てることもなかろうに、とも思います。
ところが、逆に一流の戦史研究家が集って、「もし、この戦いがこうだったら」と考えるという、いっぷう変わった戦史研究本が中公文庫から刊行となります。
真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル、レイテ。それぞれ太平洋戦争の重大な転換点になった戦いにおける「if」を考えることで、歴史の真実の姿をあぶりだす意欲作。
いままでの架空戦記にご満足いただけなかった方にもお勧めできる良書です。
2002年にグラフ社から刊行されていた本なのですが、中公文庫に収められたことで、よりお求めやすくなりました。
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