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Adobe Creative Cloud、導入。

 私の本業。
 最近は、燻製職人が本業ではないか、などという「間違った情報」が流布しているようですが、本人としては作家秘書兼書籍図版描きというのがメインの仕事と考えております。まあ、それ以外の仕事のウェイトが増えつつあるのは、私じしんも認めるところなのですが。

 その図版作成に必要なのが、コンピュータで描画をするソフト。
 この仕事をはじめた当初は、前の仕事で使い慣れていたこともあり、二次元CADソフトを使って描いていたのですが、二次元CADソフトで描いた図版が出版社で読めないことも多く、最終的にはAdobe社のIllustratorというソフトに落ち着きました。
 このソフト、使い勝手は満足いくレベルなのですが、さらに機能を上げるために、毎年のようにアップグレードが行われます。使う立場からすれば、「せっかく使い慣れたところなんだし、これ以上の機能を追加されても使いこなせないと思うから、もう放っておいて」と言いたいところなのですが、仕事で使っている以上は世間様のレベルに合わせておく必要もあり。
 毎年、Adobe社のアップグレードにお金を払う姿を、図版屋仲間のあいだでは「Adobe税」と呼んでおりました。

 そんななか、今年のアップグレードが発表されたのですが、その形態がちょっと驚き。
 従来はアップグレード代としてけっこうな金額を振り込むと、Adobe社からソフトウェアを入れたDVDが届き、それでアップグレードを行ったのですが、今回は「Adobe Creative Cloud」と言いまして、毎月3000円から5000円のお金を支払うことによって、アップグレードを行った新バージョンのソフトが自由に使える選択肢が用意されたのです。
 私としては、図版作成作業でそれくらいのお金は確実に回収できますし、いちどに大きな金額が出るよりは楽なので、このオプションを選択しました。
 ちなみに、「Cloud」というのですから、ソフトウェアはネットワーク上のサーバに置かれ、そのサーバにアクセスして作業を行うのかなと、思ったのですが、どうやらそういうことではなく、パソコンにインストールして使用するみたい。まあ、それであれば今までの作業環境と大きな違いはないわけですし、使用者の立場としてはありがたい話です。

 このAdobe Creative Cloud、本日、5月11日からサービスが開始ということ。
 いま抱えている仕事が一段落したら、新しいバージョンのソフトを試してみようと思います。

 パソコンがネットに繋がっているのが当然、というような時代を迎え、ソフトの流通も新しい局面を迎えているようす。
 少しのんびりしていると、すぐに置いてけぼりを食らうような時代、ちょっと慌ただしい気もしますが、刺激的なことだけは確かなようです。

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