数日前に一部ネットにフライング情報が掲載されてしまったため、すでにご存じの方も多いと思いますが、このたび講談社の別冊少年マガジンで「アルスラーン戦記」のコミックがスタートすることになりました。
描き手は「鋼の錬金術師」、「銀の匙 Silver Spoon」などで知られる荒川弘さん。
じつは、この連載がスタートするには、こんな裏話がありました。
講談社の担当編集のP氏は、当時まだ新人だった恵広史さんに、ぜひとも『創竜伝』を描かせたいんだ、と直談判に来てからのお付き合い。非常に熱心なうえ、誠実な仕事ぶりで、田中さんとも「この人ならば、信頼して作品をお預けできるね」と話しておりました。
そんなP氏が久しぶりに電話を掛けてきて言うには、「荒川弘さんが『アルスラーン戦記』のファンということを聞いた。コミック化をお願いしたいが、どうか」と。
こちらとしては、さきに書きましたとおり、P氏の人柄&能力には全幅の信頼を置いておりましたし、「鋼の錬金術師」で荒川さんのたぐいまれなるストーリーテラーとしての才能にも敬服しておりましたので、一も二もなく「OK」とのお返事をしました。
……ところが。
数日後、P氏から照れくさそうな声で電話があり、「荒川弘さんが『アルスラーン戦記』の愛読者だというのは、どうも間違いだったようです」と。
な、なんだって〜!
と驚いた私だったのですが、その後の台詞に、さらに驚かされることに。
「ただ、荒川さん、『アルスラーン戦記』に興味はあるということで、コミック化には前向きに取り組んでくれそうです」と。
……さすが、P氏です。うっかりしているところもありますが、やはり能力はピカイチのようです。
そんなこんなでコミック化が決まり、田中さんと荒川さんの顔合わせを兼ねた食事会が行われたのが、某年某月。
場所は新宿の高層ビルにある創作和食系の店でした。
一応、今回は顔合わせを兼ねてお食事を……ということだったのですが、そこは根っからクリエイターのふたり。いきなりコミック版「アルスラーン戦記」の内容についての打ち合わせが始まりました。
荒川さんからは、「アルスラーン戦記」を描くにあたって、この部分をこうしても良いか、こういう解釈で間違いないか、などの質問があり、田中さんは田中さんで、こういう背景があるので、ここはこういう表現にしている。そこのところを踏まえてくれれば、あとは自由に。などと返事をしておりました。
荒川弘×田中芳樹のコンビがお送りする、コミック版「アルスラーン戦記」。
7月9日発売の別冊少年マガジン8月号から連載がスタートとなります。
どうぞ皆さま、お楽しみに!
ちなみに、田中さんが現在執筆しているのは『タイタニア』の新刊なのですが、これを脱稿しましたら、次は『アルスラーン戦記』に取りかかる予定です。
こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
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